<国立からパリへ 下>

「セイコーゴールデングランプリ(GGP)陸上2024東京」(日刊スポーツ新聞社共催)が19日、東京・国立競技場で開催される。今夏のパリ五輪に向けてしのぎを削るアスリートたちを3回連載で紹介する。

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陸上男子走り幅跳びで東京五輪6位入賞の橋岡優輝(25=富士通)が、国立競技場でパリ五輪へ弾みをつける大ジャンプを披露する。

新スタイルに取り組んできた。22年11月に渡米。サニブラウンら短距離界のトップレベルが集うフロリダ州のタンブルウィードTCに拠点を移した。レイナ・レイダー・コーチからの「スプリンターになれ!」という指導のもと、助走を従来のリズム感重視から全力で駆け込む形に変更。助走距離は6メートルも短くなった。

この新たな走りで挑んだ昨夏の世界選手権は3度目の出場で初の予選敗退。しかし「崩れると思っていた」と覚悟の上だった。かつてのスタイルに戻すことは全く考えず「強くなるためであれば、どれだけ苦しんでもいい」。振り向かず前だけを見据えた。そして迎えた五輪イヤー。3月の初戦では、さらに2メートル短くなった助走で8メートル28を跳んだ。パリ参加標準記録を1センチ上回り、代表入りへ大きく前進。「動きがフィットしてきた」と手応えを得た。

セイコーGGPでは22年世界選手権王者の王嘉男(中国)らも参戦するが「周りの選手より、自分の課題と向き合いたい」。己の跳躍に集中し、“シン・橋岡”が1センチでも遠くへ跳ぶ。【藤塚大輔】(おわり)

◆パリ五輪への道 出場枠は最大3。6月30日までに参加標準記録を突破し、かつ日本選手権(6月27〜30日、新潟)で優勝すれば代表内定。参加標準未突破や2位以下の場合でも、同選手権の成績や6月末時点の世界ランキング次第で代表入りとなる。

◆セイコーゴールデングランプリ(GGP)陸上2024東京

【日時】5月19日(日)午後0時30分競技開始予定

【会場】東京・国立競技場

【種目】▽男子=100メートル、200メートル、400メートル、5000メートル、110メートル障害、400メートル障害、走り高跳び、走り幅跳び、やり投げ▽女子=100メートル、1500メートル、5000メートル、100メートル障害、3段跳び、やり投げ

【テレビ放送】午後2時30分からTBS系で生放送

【大会HP】http://goldengrandprix-japan.com/