陸上男子100メートルで世界選手権2大会連続入賞のサニブラウン・ハキーム(25=東レ)が21日、イタリアへの出国前に羽田空港で取材に応じ、パリ五輪へ意気込んだ。

19日のセイコー・ゴールデングランプリ(GGP)決勝こそ右ふくらはぎと左ハムストリングをつった影響で8位となったが、今季は10秒0台を3度マーク。課題のスタートも改善しつつあり「序盤から調子が良い」と手応えを得ている。

五輪切符獲得には、6月30日までに参加標準記録(10秒00)を突破することが条件。日本選手権(6月27〜30日)や6月末時点の世界ランキング次第でも代表入りとなるが「(参加標準記録を)出さなかったらオリンピックに行く必要はない、出る意味もないかな」と、標準突破での切符獲得にこだわっていく。

今後は拠点とする米フロリダ州へは戻らず、イタリアを拠点としながら欧州でレースを転戦する。所属チームのタンブルウィードTCには、イタリア出身で21年東京五輪100メートル金メダルのマルセル・ジェイコブスが在籍している関係もあり「町ぐるみで競技場を改修して、チームのために拠点をつくってくれた」という。「ヨーロッパはご飯がおいしい。早くアメリカからヨーロッパに行きたかった」と報道陣を笑わせつつ「パスタもあるし、野菜もとれる。カフェもいっぱいあっていいですね」と、イタリアでの調整に高揚感を漂わせた。

金メダル獲得を狙うパリの舞台へ「今シーズンはどれだけいけるか楽しみ。1日1日を大切にしていきたい」と意欲を示した。

◆男子100メートルのパリ五輪への道

出場枠は最大3。6月30日までに参加標準記録(10秒00)を突破した上で日本選手権(6月27〜30日)で優勝すれば内定。標準未突破や2位以下の場合でも、同選手権の成績や6月末時点の世界ランキング次第で代表入りとなる。23年世界選手権6位入賞のサニブラウンについては日本選手権の成績にかかわらず、6月末までに参加標準を突破した場合でも内定となる。