陸上女子100メートル障害(ハードル)日本記録保持者の福部真子(28=日本建設工業)が1日、新潟市内でパリオリンピック(五輪)代表内定会見に出席し、初出場となる五輪へ「世界の選手と肩を並べられるように頑張りたい」と意気込んだ。

6月27日から4日間にかけて行われた日本選手権(新潟)では予選でいきなり12秒85を出し、準決勝で参加標準記録(12秒77)を上回る12秒75をマーク。決勝は12秒86で優勝を決め、パリオリンピック(五輪)代表に内定した。「パリ五輪はずっと目指していた舞台。標準記録突破と日本選手権優勝で出場を決めきることができてよかった」とうなずいた。

主要国際大会への出場は、22年世界選手権以来となる。その2年前は準決勝で12秒82をマークするも、同組最下位の8位。同じレースでは、アムサン(ナイジェリア)の世界新記録(12秒12)を目の当たりにした。

「全く背中が見えなかった。これが日本と世界の差なのかと身をもって実感した」

その光景を目に焼きつけ、さらなる高みへの原動力とした。23年シーズンは世界選手権の参加標準記録を突破しながら、日本選手権4位で落選。それでも「強くなって戻ってくる」と止まらなかった。

紆余(うよ)曲折を経て、ようやくたどりついた五輪の舞台。「12秒4で走ってもファイナル(決勝)には届かないと踏んでいる。せめて自分の最高のパフォーマンスで12秒5を出して、決勝へいけるように走れたら。この五輪では、見えなかった背中が見えたら。あわよくば、肩を並べられたらいいなと思っている」と思い描いた。