日本の格差、やや改善 現役世代の負担はより重く

厚生労働省は9月、格差の指標となる「ジニ係数」の最新状況を発表しました。3年に1回発表し、今回は2017年時点の調査です。それによると日本の格差は少し縮小しています。詳しく見てみましょう。

ジニ係数は0〜1の数字で、1に近いほど格差が大きいことを示します。税金などを納める前の「当初所得」で比較すると、ジニ係数は0.5594でした。これは14年の調査より改善しています。改善は実に36年ぶりです。

高齢化が進むと、収入がない人が増え、ジニ係数は悪化しがちなのに不思議な現象です。厚生労働省は「景気が良くなり、低所得層の収入があがったため」と説明します。みずほ総合研究所の高田創・副理事長は「働くシニアや女性が増えたことも一因」と話します。

当初所得から税金を納めたり、年金をもらったりすることで実際の実入りは変わります。この「再分配後」のジニ係数は、0.3721でした。これも14年の調査より改善しています。再分配前も、再分配後も、少しですが格差が縮小しているという結果になりました。

ただ、年齢別に見ると少し違う風景が見えます。世帯主の年齢で分けた再分配状況を見てみましょう。

当初所得と再分配後の所得を比べた「再分配係数」という数字があります。プラスが大きいほど、再分配の恩恵を受けていることになります。30〜64歳までの現役世代は、軒並みこの再分配係数が14年より悪化しています。一方、65歳以上の高齢世帯は再分配係数が改善しています。

例えば、働き盛りの45〜49歳の再分配係数は、14年にはマイナス10%でしたが、17年にはマイナス17%になっています。一方、75歳以上の再分配係数は182%から213%になっています。平均の当初所得は138万円でも、再分配後は432万円になります。「社会保険料の上昇により、若い世代から高齢世代への再分配度が高まった」と厚生労働省は説明します。

景気が良くなっても現役世代の負担は重いようです。京都女子大学の橘木俊詔客員教授は「今、大変なのは中年層。特に就職氷河期に社会に出た人たちは、正社員になれず低賃金のままの人が多い。こうした人たちや子育て世代への社会保障を充実すべきだ」と言います。


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