駒場東邦中学校・高等学校には海外の有名高校との交換留学制度がある。厳しい審査をくぐり抜けた生徒のみ利用でき、海外で大きく成長して帰ってくる例もみられるという。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が留学の実態を取材した。

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■自宅をホームステイ先として留学生を受け入れる

駒場東邦では1978年に留学制度を始めている。1983年からは米国の名門私立高校スティーヴンソン校との定期的な交換留学制度が現在に至るまで続いている。さらに2012年からは台湾の名門国立高校である台南第一高級中学(台南一中)との交換留学が続いている。2014年度からはスティーヴンソン校との間で教員の交換制度も始まった。

1986年には留学生基金が創設され、留学費用はそこからまかなわれている。「この留学生基金が本校の留学プログラムの非常にユニークな点だと思うのですが、学校説明会などで魅力をお伝えしきれていないことにじくじたる思いがあります。いかんせん人数が少ないので」と言うのは英語科の松坂靖彦さん。私も、40年以上も前から駒場東邦にこのような留学制度があったことは知らなかった。

この制度を利用できるのは、スティーヴンソン校との間では1人のみ、台南一中との間では2人となっている。対象は高校1年生。教員たちが組織する留学生委員会が選考を行う。本当の意味で1対1の交換留学制度なので、自分が海外に行くだけでなく、自宅をホームステイ先として交換留学生を受け入れることができるかどうかも応募要件とされる。

スティーヴンソン校との交換留学の場合、まず向こうの交換留学生が来日して、駒場東邦生の自宅に例年6月の約1カ月滞在し、いっしょに駒場東邦に通う。その後、8月末に駒場東邦生が渡米し、9月初旬から10月中旬までをホームステイ先で生活させてもらいながらスティーヴンソン校に通う。

台南一中との間では、まずこちらの冬休みを含む時期に駒場東邦生が向こうで3週間ほどすごす。次に向こうの春節(旧正月)を含む時期の1月末から2月頭にかけて、台湾からの留学生を受け入れる。台南一中への留学予定者は校内でのネーティブ講師による中国語基礎講座への参加が必須だ。

駒場東邦では毎年夏休みに5日間の夏期講習が2クール設定されるのだが、そのどちらかで中国語基礎講座が開講される。2学期にはほぼ毎週の土曜日に、全12回前後におよぶ講座が開かれる。これらの講座には、中国語に興味がある希望者も参加できる。