松浦さん「日本の教育のデジタル化は遅れているとして問題になりました」

日本は多くの分野でデジタル化が遅れていますが、教育はとくに深刻です。米欧の大学では12年ごろからネット経由の「大規模公開オンライン講座(ムーク)」が普及し、コロナ禍でも日本ほど混乱せずに遠隔に切り替えました。

日本ではIT(情報技術)に習熟した教員が少なく、通信トラブルも多発しました。制度的な問題もあります。

米欧の多くの国では学校や教材にID(識別番号)がつけられ、学習データや成績が同じ書式で記録されます。通信履歴など膨大なデータを分析し、教材や指導法を見直す「学習分析」という研究も盛んです。学習データは個人情報でもあり取り扱いルールが必要ですが、日本ではやっと検討が始まった段階です。

コロナが収束したらすべて対面に戻すのではなく、それぞれの長所を上手に組み合わせて教育のデジタル化を進める必要があります。

■ちょっとウンチク

格差拡大防ぐ施策を

遠隔授業を含め、先端的なテクノロジーを教育に採り入れた「エドテック」は学びを効率化する効果が裏づけられてきた半面、教育格差を拡大する懸念がある。学校より塾や予備校の方がエドテックの活用に熱心なうえ、高速の通信回線や端末を使えるかは家庭の経済力に強く関係するからだ。

政府は小中学生にひとり1台のパソコンやタブレットを配る「GIGAスクール構想」などデジタル技術の活用に動き出した。公平な教育機会を保てるよう、端末だけでなくソフト・アプリの活用や通信環境などにも配慮し、格差拡大につながらないような施策が要る。(編集委員 久保田啓介)

■今回のニッキィ
松浦 妙子さん 会社員。コロナ禍で外出がしにくくなってしまったので、2人の子どもと自宅で遊んで過ごす日が増えた。「ゴールデンウイークはどこかに連れて行けるようになればいいな」
山口 理恵さん 会社員。昨年4月に子どもが小学校に入学したのを機に、民間企業の提供するオンライン授業の受講を開始。「勉強の習慣を付けるのに役立っている」と感じているという。

[日本経済新聞夕刊 2021年4月5日付]