副業、20万円超で申告義務 民泊の宿泊料は雑所得

2018年は「副業元年」とも呼ばれ、従業員に副業を認める企業が相次いだ。政府主導の働き方改革の流れを受けて、実際に副業を始めたサラリーマンは少なくない。勤め先の年末調整の対象にならない副業の収入は、どのように確定申告する必要があるのだろうか。

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■業務委託の報酬、経費を差し引き

副業で多いのは、会社の休日や退勤後の時間を利用してアルバイトをするケースだろう。別の会社で働いて「給与」を受け取った場合、20万円を超えると確定申告が必要になる(他の所得と合算して20万円を超えた場合を含む)。副業先からもらう源泉徴収票をもとに、本業の給与と合算して給与所得を計算。税額が増えれば、その分を支払う。

原稿の執筆、イラストの作成といった仕事を企業から業務委託されて報酬をもらった場合は一般に「雑所得」の扱いとなる。かかった経費を引いて20万円を超えれば確定申告が必要。ユーチューバーが広告収入を得たり、ネットショップを立ち上げて物品を販売したりした場合も同様だ。

ただし、ケースによっては「事業所得」とみなされる。個人事業主並みの収入を得ており、規定に沿って帳簿を付けていたような場合だ。税理士の高橋創氏は「開業を目指すといった事情がない人は、雑所得として申告する方が手間は少ない」と助言する。

民泊も最近増えている副業の1つだ。18年6月には住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行された。自宅の空き部屋や離れを旅行者に貸して収入を得た場合、雑所得の扱いとなるのが一般的だ。

民泊では部屋の掃除やタオルの補充といったサービスを含めて提供し、その対価として「宿泊料」を受け取るというのが前提。これに対して、部屋を他人に貸して占有させる対価として「家賃」を受け取ったら「不動産所得」になる。投資目的で買ったワンルームマンションを賃貸に出すのが代表例だ。

収入を増やして家計を助ける副業だが、住宅ローン控除などの税優遇制度を利用している人は注意が必要だ。

■住宅ローン控除額、減少の可能性も

住宅ローン控除を受けている人が民泊をすると、控除額が減少する可能性がある。民泊に使う空き部屋の部分は居住用と見なされないからだ。たとえば100平方メートルの自宅のうち30平方メートルを民泊用としていた場合、その分は事業用物件となる。住宅ローン控除の対象は居住用に限られるため、自宅の7割分しか控除対象と認められない。

税理士の福田浩彦氏は「配偶者控除を受けた人が副業をして所得を得た場合に混乱が生じる可能性がある」と指摘する。18年から配偶者控除の仕組みが変わり、年間所得が9百万円を超えると控除額が減額し、1千万円を超えると受けられなくなった。

本業と副業のすべての所得を合算した額が基準となる。年末調整で既に配偶者控除の適用を受けた人が基準額ぎりぎりだった場合、副業の所得により基準額を超えるケースがありうる。福田氏は「基準額を超えた場合、配偶者控除額が減少して追加納税が必要になる」という。

(岡田真知子)

[日本経済新聞朝刊2019年2月9日付]


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