カルディの冷凍スイーツでヒット中の「マリトッツォ」

食品専門店のカルディコーヒーファームが、冷凍スイーツの「マリトッツォ」(税込み270円)を発売したのは2020年11月。それから半年近くたった21年3月末時点で、販売累計30万個を超えるヒット商品になっている。カルディの冷凍スイーツをけん引する「シナモンロール」(税込み259円)の年間売り上げは約60万個。それと一、二を争う勢いだ。

上下のパンに生クリームをはさむのが特徴

カルディを運営するキャメル珈琲(東京・世田谷)によると、「売れ行きは予想以上で、各メディアに取り上げられたことで一気に数字が伸びました。購入層は20代前半の若い世代が中心。朝食やデザートとして購入されるケースが目立ちます。21年2月以降はカフェやパン屋などでもマリトッツォを提供する店が増え、一般的なブームになっていると感じます」と言う。

そもそもマリトッツォとは、フランスの菓子パンの1つであるブリオッシュに、生クリームをたっぷりとはさんだスイーツのこと。イタリア・ローマの名物で、現地では朝食として食べるのが一般的だ。もともとは大阪のベーカリーが14年ごろから販売しており、最近になって様々な有名パン屋が取り扱い始めてブームに火が付いた。

■カルディでのヒットの鍵は「冷凍」と「映え」

そうした中で、カルディのマリトッツォがヒットした理由は主に2つある。1つは冷凍スイーツにしたこと。冷蔵庫にストックできて日持ちするため、何度も買い物に出にくいコロナ禍の巣ごもり需要にマッチした。

そしてもう1つは、SNS(交流サイト)映えすることだ。マリトッツォにいちごをデコレートしてツイッターに上げる人も出てくるなど、家の中でプチぜいたく感を演出できるのも時流に合っていた。

味わいも日本向けにアレンジしている。「生クリームとの相性を考えて、柔らかめのパンを使用。またオレンジピールを加えたことで、見た目よりも軽い味わいにしています」(キャメル珈琲)

スライスすると、生クリームにオレンジピールが入っていることが分かる

自然解凍が推奨されているが、解凍時間に特に決まりはないそうだ。置いた時間によって自分好みの食感にアレンジできるのもうれしいポイント。試しに20分ほど自然解凍させると、生クリームがさっぱりしていて食べやすく感じた。5分ほどで完食できるため、時間が限られる朝にはもってこいだ。

コロナ禍において、「日持ち」「プチぜいたく」というヒットのキーワードを押さえたカルディのマリトッツォ。ステイホームが求められる中、まだまだ好調は続きそうだ。

(日経トレンディ 寺村貴彰)

[日経クロストレンド 2021年4月20日の記事を再構成]