生地は名門スキャバルのサビルロウコレクション。双糸で高密度に織り上げられ、滑らかでコシがあってシワになりにくい。スーツ(レ・ミューズ銀座店、オーダー価格25万円〜) 時計(グランドセイコーSTGF349、80万3000円) 靴(アシックスランウォーク、2万9700円) 撮影:筒井義昭

イノベーション部門を受賞したシナモン共同最高経営責任者(Co-CEO)の平野未来さんは、今回スーツを仕立てるときに、つややかな紫の生地を即決した。「以前、パーソナルカラー診断をしてもらう機会があり、光沢のある素材や冬の色が似合うと言われました。紫色もその一つでした」

服装は自己表現であると強く意識している。裾がアシンメトリー(非対称)にカットされたワンピースなどを折に触れて着るのは、AI(人工知能)で世の中を変革するという、自らの事業を投影したような「少し個性的でイノベーティブな感じが出せる装い」を好むからだ。もちろん、大企業や金融系の顧客に対面する時は、会社の代表らしく見えるスーツやジャケットの着用は必須と心得る。今回選んだ、華やかで人目を引く紫のフルオーダースーツはまさに理想的な一着と言う。

■AIは「新しい世界観」のために

DX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル変革)に取り組む企業が増え、AIを活用した業務効率化の動きが急速に進む。シナモンAIは音声認識技術や自然言語処理を得意とし、顧客企業のDXを促す。たとえばコールセンターでの会話、契約書、技術文書、論文といった膨大な情報から知識を抽出し、整理、要約、解析をAIが行えば、作業時間の大幅な削減や効率化が可能になる。「そうした『デジタル化の入り口』から私たちの仕事は始まりますが、真の目標はもっと大きなものです。顧客企業のMTP(Massive Transformative Purpose)を一緒に実現していくということなんです」