◆西武―楽天(11日、ベルーナドーム)

 西武のドラフト6位ルーキー、村田怜音内野手(22)=皇学館大=が6番DHでプロ初先発初出場し、2回の第1打席に早くもプロ初安打を放ってお立ち台に立った。

 楽天・内星龍が初球に投じた149キロの直球を迷わずスイング。バットを折りながら左前に運んだ。「初球は絶対振ろうと思って(打席に)入った。真っすぐ一本に割り切ってスイングしました。本意ではないヒットだったけど、ヒットになったので良かった」と声を弾ませた。松井稼頭央監督は「しっかりと振ってくれたので非常に内容のある打席だった。あれが持ち味だと思う。結果を恐れず振っていくことで相手にプレッシャーをかけられる」と積極性を評価した。

 196センチ、110キロの大柄な体格を生かした長打力が持ち味だが、入団直後は体の割にスイングが小さい点を指摘されていた。村田は「スイングの軌道がアッパー気味に出るので、振りまけたり、ボールの下を打つことが多々あった」と最短距離でレベルスイングする意識を心がけて調子を上げてきた。

 3月に3軍からスタートしたが、4月22日のイースタン・リーグで初スタメンして4打数4安打1打点と大暴れし、同27日の初本塁打からは2軍に定着。出場12試合で打率3割5分1厘、2本塁打、10打点と大暴れしての1軍昇格に「とんとん拍子で進んできたことに自分でもびっくりしています」と驚きを隠さない。

 3軍から2軍に上がる際、青木智史育成コーチ兼人財開発チーフから「打てなかったとしても、打点を挙げられたらOKだし、守備で貢献したらOK。一日一善だから」と励まされた。「最近、打てなくても何かで貢献できたらいい、と一日一善を意識しています」と語る。初安打のボールは三重の実家へ送る予定で、この日の一善は達成。「次はクリーンヒットを」と誓った。