◆明治安田J1第13節・京都2―3福岡(11日、サンガスタジアム by KYOCERA)

 J1アビスパ福岡の奈良竜樹主将が厳しい表情で試合を振り返った。「今日に関しては、ひどい見出しで僕のこと書いてください」

 先制した直後のキックオフ。京都がゴール前に蹴り込んだロングボールのこぼれ球に対応しようとしたが、後ろにそらし、失点につながった。

 後半に味方が取り戻して3―1にしたが、3点目の直後にも失点。「結果的に勝てて本当に良かったと思う。勝ちながら修正する、負けずに、良かった部分は継続しながら(やる)」とかみしめるように話した。

 奈良は3月30日のアウェー浦和戦で相手とぶつかって脳振とうの疑いで交代。ここから4試合欠場するなど、今季はコンディション面で難しいシーズンになっている。

 「今年に関しては試練の局面が多い。責任を感じることが多い。ただ、その中でも(2試合と)負けが少なくこられているのは、やはり周りの選手の支え、サポーターの皆さんのおかげ。僕を鼓舞してくれるようなそういうところも(今日)あった」とチームメートやサポーターに感謝した。

 チームをけん引し続けてこれで8戦負けなし。「今までだったら、(失点した)そういう後のプレーは、ちょっと不安定になったり、表に(メンタル面が)出ちゃうようなことが多かった。ただ、こういう立場でやっている以上、ミスがあっても弱みを見せてはいけないと思いながらやっている。それがチームに波及するから。試合中もそうだし、リーグ戦(のシーズンを通して)もそう。今度は自分がチームを助ける、それは別に、今日(の自分のプレーが)良かったとしても次も助けたいし、そうありたい」。主将が誓った。
(向吉三郎)