◆ソフトバンク6―2西武(17日、みずほペイペイドーム)

 ソフトバンクのリバン・モイネロ投手(28)が、来日最多の126球を投げきり今季2勝目を挙げた。「すごい良いピッチングしても勝てないときもあるし、悪くても勝つときはあるのでそこまで勝ち負け気にしてないけど、勝てたことに関してはうれしい」と素直に喜んだ。

 約1カ月ぶりの白星だった。前回、前々回の登板はいずれも西武戦で勝ち負けがつかなかった。前回から中12日を空け、調整してから臨んだ今季7試合目の登板。4四球と本来ように制球が定まらない中だったが、4回の2死満塁など要所をしっかりと押さえ、失点は7回に古賀悠斗に打たれたソロのみにとどめた。

 球数は今季チーム最多の126球。7回の最後の打者も150キロの直球で見逃し三振を奪うなど、最後までパフォーマンスが落ちることもなかった。「先発して6、7回投げるのが役割。100球以上投げていけば体は慣れていくと思うのでそういう意味では少しずつ自分の感じにはなれてますし、体も慣れてきている」と、今季から転向した先発への手応えも口にした。

 倉野信次投手コーチも「100%の本調子かと言われたらそうじゃないかもしれないけど、1失点で帰ってくるというのは能力は高いというふうに思う」と左腕をたたえる。そんなモイネロの良さは「謙虚な姿勢」と話す。「本人も毎試合言うんですけど、『先発として初心者だから、1試合1試合が勉強になってるんだ』というのはフィードバックでよく話しているので、本当にそういう謙虚な姿勢、学ぶ気持ちを持っているのが成長につながっていると思う」。防御率1.53と抜群の安定感を誇る左腕は、〝初心忘れるべからず〟次の登板に向かう。(大橋昂平)