◆ソフトバンク3―2西武(18日、みずほペイペイドーム)

 2試合連続の豪快弾でチームを救った。1点を追う8回1死一塁。近藤健介が甘く入ってきた初球の直球を振り抜くと、打球はピンク色に染まった右翼スタンドへ一直線に吸い込まれた。「引っ張れるボールをしっかり待つというところだけ。初球からいける準備はしていた」。逆転の6号2ランで価値ある白星を引き寄せた。

 昨季の本塁打王は、値千金の一打を放つ前の1、2打席目で、ともにフェンス際への大飛球を相手の好守に阻まれた。いずれも得点圏に走者を置いてでの打席だっただけに「走者なしだったら納得いくような感じだけど、もう少し打点にこだわりたい」と主軸としての自覚をにじませた。

 先発の大津亮介が好投を続ける中、打線は6回までに4度も先頭打者が四球で出塁しながら、初回の1得点にとどまった。小久保監督は「嫌な流れだったんですけど。(近藤が)直球を1球で仕留めるところは本当にさすが」とうなずいた。

 チームは相性のいい西武にカード勝ち越しを決め、貯金は今季最多を更新する「16」に伸ばした。「目の前の1試合に集中してやっていくだけ。油断せずに戦っていきたい」。どれだけ勝利につながる一打を放っても、近藤が気を緩めることはない。(大橋昂平)