◆陸上・九州実業団選手権最終日(19日・黒崎播磨陸上競技場)

 男子やり投げは、25歳の比嘉遥(フクモト工業)が2投目で71メートル00を投げて2連覇を達成した。強風の影響もあり、前年に自らマークした71メートル53の大会記録更新はならなかったが「難しいコンディションの中でいい投てきができた」と胸を張った。

 沖縄県名護市出身で、元々は野球少年だった。一方で強肩を生かして中学時代から陸上のジャベリックスローにも挑み、中3時の2013年にはJOCジュニアオリンピック陸上で81メートル11の大会新記録を樹立している。甲子園を目指して進んだ興南高では1番ライトでプレー。本格的にやり投げを始めたのは九共大に入学した17年からという〝遅咲き〟だ。現在は所属するフクモト工業(福岡県宗像市)で営業社員として働きながら練習を積んでいる。

 やり投げの自己ベストは今季初めに記録会でマークした76メートル03。6月の日本選手権で8位以内を目指す。比嘉は「状態は非常にいい。沖縄勢は(日本選手権の)やり投げでまだ入賞がないので、自分が沖縄初の入賞者になりたい」と、力強く語った。(山崎清文)