J1の福岡と鳥栖が16日、福岡市のベスト電器スタジアムで対戦する。午後3時30分キックオフ。隣県のライバルとしてしのぎを削ってきた両クラブの試合は九州ダービーと呼ばれ、「負けられない戦い」として選手、サポーターが燃える。昨季は福岡の1勝1分け。昨季まで鳥栖でプレーし、今季から福岡に加入した岩崎悠人(26)が九州ダービーの重み、意気込みを語った。

 

 勝ち点3以上の意味を持つのが九州ダービーだ。鳥栖の選手として福岡戦に5試合出場した岩崎は「サポーター同士もすごく意識しているし、『負けられない試合』と会社からも言われてきました」と振り返る。

 今季から移籍した福岡でも九州ダービーの重みを植え付けられた。福岡県に隣接する佐賀県鳥栖市をホームタウンとするクラブとの戦い。岩崎はチームメートの湯澤聖人にこう言われたという。「福岡にある企業(の協賛)も、マスコミも(鳥栖の方に)いっちゃう。そういうことも起こり得るので、勝たないと俺たちの存在意義がなくなる」

 今季は福岡が勝ち点の10位、鳥栖が同14の17位だが、九州ダービーの勝敗が今後の戦いにも大きな意味を持つと考える。昨年は8月のアウェー鳥栖戦で福岡が勝利。「そこからアビスパは勢いに乗った」と岩崎が振り返るように、クラブ初タイトルのルヴァン・カップ制覇、クラブ最高位の7位につなげた。

 鳥栖在籍時に日本代表に招集されるなど「選手としての幅を広げてもらった」と感謝する鳥栖から移籍した今季はリーグ戦全17試合に出場。当初は鳥栖ではあまりなかった前線のポジションで先発していたが、チーム事情もあり、現在はウイングバックを務める。

 「守備で課題を突きつけられている感じはありますけど、成長できるポイントだと思うのでプラスに捉えています」とうなずく。「守備者としてのふるまい、危機管理はすごく勉強になる。長谷部監督がこだわってる部分なので」と言う。

 その上で移籍時にこだわっていたゴールやアシストについて「点を取れる形みたいなのがはっきりしてきた。サイドで仕掛けて、縦に行けばクロスを上げられるし、それを警戒されればシュートを狙う形ができている」と手応えを強調した。

 九州ダービーで狙うのは今季初ゴール。「(狙うのは)間違いないですね。(昨年まで一緒で)よく(特長を)知っている選手でもやれると思う」と自信を見せた。

 ボールを保持し細かくつないでゴールに迫る戦術の鳥栖に対し、福岡は組織的にボールを奪って速攻を仕掛ける。スタイルの違う両チームのぶつかり合い。岩崎は「見ている人からしたらすごい楽しい試合だと思います。初めてサッカーを見に来る人は、独特な雰囲気の中で観戦できるので、サッカーが好きになれる」と熱い戦いで九州のファンを魅了することを誓った。(向吉三郎)

 ◆岩崎 悠人(いわさき・ゆうと)1998年6月11日生まれ。滋賀県出身。京都橘高時代からFWとして注目を浴び、当時J2の京都に加入。札幌、湘南、千葉を経て2021年途中にJ1鳥栖に移籍。サイドプレーヤーとしての才能が開花し、22年7月に東アジアE―1選手権で日本代表に初選出された。24年から福岡に移籍。173センチ、72キロ。背番号18。

 ◆福岡対鳥栖

 福岡は1996年にJリーグ参入。鳥栖は99年に同年に発足したJ2に参戦した。初対戦は2002年4月で1―1の引き分け。J2では福岡14勝、鳥栖8勝、6引き分けの成績となっている。J1での対戦はリーグ戦で福岡2勝、鳥栖2勝、4引き分けと互いに譲らない。ルヴァン・カップは福岡の2勝で引き分け1。