◆オリックス2―4西武(22日、京セラドーム大阪)

 貧打で苦しみ続けてきた西武が、まさしく〝逆転の発想〟で、連敗を5でストップさせた。「ちょっと流れを変えてみたかった」と渡辺久信監督代行は、試合前に行うフリー打撃の〝中止指令〟を全選手に通達。練習中に打撃ケージを設置しない徹底ぶりで、空いたグラウンドを活用し、内外野での特守を行うなど、まるでキャンプ中のような練習シーンが展開された。

 その超異例の試合前練習の〝効果〟なのか、ひょっとして白球に飢えさせた?と言えば、ちょっと皮肉が過ぎるかもしれないが、1回にまず今季初1番の西川愛也が、オリックスの先発・齋藤響介の147キロ直球を右翼線へはじき返す二塁打で出塁すると、続く滝沢夏央が送りバント、さらに3番栗山巧が右犠飛と、わずか5球で先制点。球団ワーストの連続無得点イニングを32で止める速攻劇に「ABCで言えば、Aの当たりだった。ホントに出はなをくじいてくれた」と指揮官は〝チーム初振り〟での快打を絶賛した。

 さらに3回、21日にプロ初4番を務めた5年目の27歳・岸潤一郎が、京セラドーム大阪の5階席に運ぶ特大の5号3ラン。試合前のフリー打撃を止められたことには「まだまだな部分があるので、調整という意味より、練習をしっかりとしていきたいというところ」と困惑気味。明徳義塾高時代に投打の二刀流で活躍し、4度の甲子園出場。3年秋の長崎国体では優勝を果たしたが、拓大進学後にトミージョン手術を受けた右肘のリハビリがうまく進まず、3年で大学を中退。一度は野球を辞める決断までしたというが、独立リーグの徳島から声をかけられ、野手として再起。20年のドラフト8位指名で西武に入団したという、山あり谷ありの野球人生を送ってきた男の殊勲打に、渡辺監督代行も「岸の持ち味が出た」と褒め、さらに「今の攻撃陣の中では『4番』かなという感じ」と今後も〝4番継続〟の方針を明かした。

 チームはこれで、やっと今季20勝に到達。21日の時点でのシーズン100敗ペースから99敗ペースへと〝前進〟はしたものの、5位にも10.5差をつけられた最下位という、苦しい状況に変わりがない。それでも先制して、守り切るというこの日のような試合展開で活路は見いだしたい。ちなみに試合前のフリー打撃は「明日(23日)はバンバンやりますよ」と指揮官。苦境打破へは気分転換だけでなく、やっぱり練習も必要なのだ。