【1969年式 日産スカイライン2000GT-R 4ドアボディに秘めたGT-Rの高性能 vol.1】

 一般的にスポーツカーといえば、2ドアのボディを採用することが多い。ドア枚数が多いと、車体重量が増加する上、ボディの開口部が多いとボディ剛性も低下してしまう。何より、スポーツ走行をメインに考えれば、ドライバー以外の人員を乗せることは考えず、2ドアにしてしまうのが合理的だ。

しかし、1969年2月にPGC10スカイライン2000GT-Rが登場したとき、そのボディはセダンだった。前年10月に登場したスカイライン2000GTの、L型の直列6気筒エンジンを収めるためにフロントを延長した、ロングノーズの4ドアボディにS20型を搭載したのである。

その後、GT-Rが2ドアハードトップに移行すると、以降のケンメリ、R32から現在のR35 GT-Rに至るまで、GT-Rは(特別仕様の限定車を除き)すべて2ドアのボディで歴史を紡いでいくことになる。こうして、50年のキャリアの中で1年半の間だけ、「4ドアセダンのGT-R」が存在することになったのである。

 【画像14枚】長いGT-Rのキャリアの中で、僅か1年半の間のみ生産された「4ドアセダンのGT-R」のほぼオリジナルが外観など

>>ルームミラーはスポーツオプションのレース用ワイドミラー。オプションのラジオ用パワーアンテナも備えている。

>>センターコンソールにあるスイッチとシガーライターは、白地に英字で機能名が書かれているタイプ。69年10月のマイナーチェンジで、黒地に白いアイコン表示のスイッチに変更された。左下にあるのは、パワーアンテナの動作スイッチだ。

>>純正のデュアル形状を踏襲したステンレスマフラーに変更。
 
1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10) 
全長4395mm
全幅1610 mm
全高1385 mm
ホイールベース2640 mm
トレッド前/後1370/1365 mm
最低地上高160 mm
室内長1775 mm
室内幅1300 mm
室内高1120 mm
車両重量1120kg
乗車定員5名
登坂能力sinθ0.490
最小回転半径5.3m
エンジン型式S20型
エンジン種類水冷直列6気筒DOHC
総排気量1989cc
ボア×ストローク82.0×62.8mm
圧縮比9.5:1
最高出力160ps/7000rpm
最大トルク18.0kg-m/5600rpm
変速比1速2.957/2速1.853/3速1.311/4速1.000/5速(OD)0.852/後退2.922
最終減速比4.444
燃料タンク容量100L
ステアリング形式リサーキュレーティング・ボール(ギア比18.5)
サスペンション前/後ストラット・コイル/セミトレーリングアーム・コイル
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも6.45H14-4PR
発売当時価格150万円


【2】に続く