【RVブームへの序曲となったクルマたち 1987年式 日産 プレーリー 2000 4WD JW-G   Vol.1】

 1982年8月、これまでのどのジャンルにも当てはまらない新種のクルマが誕生する。初代プレーリーだ。このクルマの登場は衝撃を与えた。いや、今、振り返ってみるからこそ、そのユニークさが際立って見えるのか……。いずれにしても、プレーリーは奇想天外で、それまでの枠ではくくれないクルマだった。その特徴に触れる前に、まずはプレーリーの概要を解説しよう。

 ベースはバイオレットリベルタ/スタンザFX/オースターJXの3兄弟で、3列のシートを持つことが特徴。開発主査は伊藤修令さんで、R31やR32スカイラインを担当したあの人である。デビュー時のラインナップは、1.8LのCA18型を搭載する8人乗りのJWシリーズ、1.5LのE15型を搭載する5人乗りのRVシリーズとSSシリーズが基本で、1列シート3人乗りと2列シート6人乗りの4ナンバー車となるエステートも用意していた。

 そして、1985年1月にマイナーチェンジが実施され、内外装のデザインを刷新。同年9月には2.0LのCA20型を搭載する4WDを追加した。後期のグレード構成は、2.0L・4WDが7人乗りのJW‐GとJW‐L、1.8Lが8人乗りのJW‐Gと5人乗りのRV‐S、1.5Lが8人乗りのJW‐Lとなっている。その後も小変更が実施され、1988年9月に2代目に移行した。これがモデルライフのアウトラインだ。

>> 【画像19枚】プレーリーの最大の特徴であるピラーレスの大開口フルオープンスライドドアなど。その開放感とユニークさは写真を見ても明らかだが、ボディ剛性は大丈夫か......と、若干の不安が伴う



スライド&チルトアップが可能なサンルーフはオプション設定。サンルーフ付きだったことがこの個体を入手した理由のひとつとのこと。


リア回りでは大型バンパーとサイドマーカーが北米仕様。また、リアガラスも北米仕様に入れ替えており、「PRAIRIE」ではなく「STANZA」のロゴが入る。

1987年式 プレーリー 2000 4WD JW-G (HNM10) SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4230×1665×1675
ホイールベース(mm) 2525
トレッド前/後(mm) 1430  /  1375
車両重量(kg) 1330
エンジン型式 CA20型
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1973
ボア×ストローク(mm) 84.5×88.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps / rpm) 91 / 5200
最大トルク(kg-m / rpm) 14.8 / 2800
変速比 1速 3.714 / 2速 2.095 / 3速 1.272
4速 0.954 / 5速 0.740 / 後退 3.428
最終減速比 4.471
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク
リーディングトレーリング
タイヤ 185 / 70SR14(前後とも)
発売当時価格 197.0万円


【2】に続く