巨人二軍が白スパイクの着用を決めた。現時点では「練習のみ」だが、ファームはデーゲームも多いだけに試合でのお披露目もそう遠くはないだろう。

 「高野連がひと足先に白スパイクの着用を認め、甲子園大会で暑さ対策として効果を発揮していました。黒いスパイクよりも白の方が涼しいらしく、スポーツメーカーも白スパイク推奨のデータをまとめつつあるようです」(スポーツ紙記者)

 阿部慎之助二軍監督の提案で巨人二軍の白スパイクの着用が決まったというのが、興味深い。

 今さらだが、プロ野球のユニフォームなどは球団からの支給品だ。二軍の選手個々が買い揃えるわけではない。一連の新型コロナウイルス禍で思うような集客活動ができず、緊縮が囁かれる中、白スパイク着用は大きな出費になったはずだ。

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 まだ早いが、こういう“出血サービス”の話を聞くと、阿部二軍監督が「ポスト原」の一番手であることが再認識できる。そんな阿部二軍監督の采配について聞いてみた。

 「勝率は5割ライン。二軍は育成の場なので勝敗にさほどこだわった采配は見られませんが、好機に打てなかった選手、痛打を浴びた投手をジッと見ているような印象です。現役時代から後輩たちには『練習あるのみ』の姿勢でしたから、違和感を持つ選手は一人もいません」(球界関係者)

 ファーム戦での様子を補足すると、いつもサングラスをかけているので、表情から感情を察することができない。試合前の練習でも一歩引いたところから全体を見ていて、何かあると、近づいて行って助言をするといった感じだ。

 しかし、阿部二軍監督が本当の意味で試されるのは「これから」だという。ドラフト会議だ。少し前、「巨人が外野手の1位指名を検討」との報道があった。今秋のドラフト候補には長打力を持った外野手もいるが、こんな指摘も聞かれた。

 「そもそも、外野手の1位指名の話は、スカウト会議後(8月28日)の大塚淳弘副代表の発言によるものなんです。会議後、同副代表が『1位は外野手』とコメントし、それを額面通りに受け止めたからです。ただ、同副代表は最後に『ピッチャーは揃っているから』とも発言しているんですよね」(ベテラン記者)

 ピッチャーが揃っているのは、巨人のことではない。高校、大学、社会のドラフト候補に好投手が多いことを指しての発言で、 

 「本命の外野手がいるのではないか。その本命を指名重複後の抽選で外しても、ピッチャーを指名すればいい。外れ1位の再入札の段階になっても、好投手は残っていると経営陣は判断しています」(同)

 と、ドラフト戦略を予想する声も聞かれた。

 「ファームを見渡すと、外野手の頭数が足らないわけではありません。阿部二軍監督が若い外野手をしっかり育ててくれたら、チームの本当の弱点である先発投手不足を補う指名が、2位以下でも可能になってくるんですが…」(前出・関係者)

 昨年のドラフトを振り返ると、1位の高卒投手・堀田賢慎はいきなり肘の手術となり、2位・太田龍は「即戦力」と言われながらも、二軍調整が続いている。「最後のツメの部分で評価を見誤った」とする厳しい意見もあり、そのため、今年は「阿部二軍監督にも意見を求める」(関係者)という。

 外野手の育成、そして、自身が一軍指揮官となった時に主力となる投手を見定める――。1位指名はくじ運も影響してくるが、どんなチームを作ろうとしているのか、阿部二軍監督のビジョンも見えてくるだろう。サングラスで表情を隠しているのは、二軍選手を厳しく見定めているのを悟られないためかもしれない。(スポーツライター・飯山満)