2019年のプロ入りから楽天でプレーし、昨季までに「228試合・.227・12本・53打点・128安打」といった数字を残しているプロ3年目・24歳の辰己涼介。7日・西武戦後にお立ち台で口にしたコメントが多くのプロ野球ファンの間で話題となった。

 同戦に「1番・中堅」でスタメン出場した辰己は「4打数2安打・3打点」と活躍し、試合後お立ち台に登壇。すると、この日先発で「7回2失点・被安打7」と好投した同僚・則本昂大について聞かれた際に、「なんか悪いことしたんかなっていうぐらい気合入ってた」と発言した。

 則本は今季開幕前の3月末、自身の不倫が原因で2013年に結婚した妻と昨年離婚していたことを一部週刊誌が報道。また、この不倫・離婚により、チーム内に不協和音が生じているとも伝えられていた。

 こうした背景があってか、直後のスタンドにはどよめきが起こり、ネット上にも「まさかお立ち台で先輩の不倫報道に触れるとは思わなかった」、「軽々しく茶化すようなことじゃない」と賛否の声が挙がった辰己の発言。ただ、お立ち台での発言が大きな話題を呼んだのは辰己だけではない。

 >>楽天・辰己が則本に「なんか悪いことしたんか」不倫報道を揶揄? お立ち台発言にスタンド騒然、「茶化すことじゃない」と反発も<<

 お立ち台での発言途中にスタンドのファンに激怒したのが阪神・赤星憲広。2008年5月24日・ソフトバンク戦、赤星は9回に逆転となる2点タイムリーを放ちチームを勝利に導く。その後お立ち台に呼ばれインタビュアーの質問に答えていたが、インタビューが場内放送されていなかったことからか、一部ファンが内野スタンドから「ヒーローインタビュー聞こえねえぞ!」、「声が小せえぞ!」などとヤジを飛ばした。

 すると、これを受けた赤星は一度コメントを打ち切り、「(マイクが)入ってねえんだよこの野郎!」とヤジを飛ばすファンを一喝。これ以降ヤジはやんだため赤星は気を取り直してコメントを再開したが、突然ファンに激怒した姿に驚いたファンは多く、同僚たちもこれ以降赤星を「チャッカマン」というあだ名で呼ぶようになったという。

 1989年日本シリーズでは、近鉄・加藤哲郎のお立ち台での発言がシリーズの流れを変える結果となっている。同シリーズは近鉄が第1戦から3連勝を収め日本一に王手をかけたが、第3戦で勝利投手になった加藤は試合後のお立ち台で「(巨人打線は)大したことなかったですね」、「シーズンの方がよっぽどしんどかったですからね、相手も強いし」などと強気に発言。各メディアもこれらの発言を「巨人はロッテより弱い」という見出しで大きく報じた。

 すると、加藤の発言が選手たちの闘志に火をつけたのか、巨人は第4戦から3連勝を決め逆王手をかけると、第7戦でも加藤を攻略し大逆転でシリーズを制覇。なお、第7戦で加藤から先制ソロを放った巨人・駒田徳広は、ベースを一周する際に加藤に「バーカ!」と言い放ったと後年に明かしている。

 2013年4月9日・阪神対巨人戦のお立ち台では、阪神・マートンが予想外のコメントを口にし甲子園のファンを沸かせている。同戦で決勝打となる先制タイムリーを放ったマートンは、完封勝利を挙げた同僚・能見篤史と共にお立ち台へ。そこでインタビュアーの質問を「チョットマッテ」と一度打ち切ると、「ノウミサン、アイシテル」と口にし能見と抱擁を交わした。

 マートンは2012年6月9日・オリックス戦後、報道陣から失点につながった怠慢守備について質問を受けた際に逆ギレ。その際に「レットゼムスコア(オリックスに得点させてやった)」、「アイドントライクノウミサン(俺は能見さんが嫌いだ)」などと能見へ暴言を吐いていた。これ以降ファンの間では能見との不仲説もささやかれていたが、「アイシテル」発言により因縁に終止符が打たれた形となった。

 大多数の選手はプレーの感想やファンへの感謝などを口にして終えることが多いお立ち台。それだけに、今回の辰己を含めたイレギュラーな発言はファンの話題を呼びやすいのかもしれない。

文 / 柴田雅人