チームが好調な時だからこそ、慎重に行動した方が良い。

 6月18日、ペナントレースが再開される。首位阪神は本拠地・甲子園球場で巨人を迎え撃つが、“来年の話”も囁かれていた。

 「今年は、矢野燿大監督は3年契約の最終年です。慣例だと、もうそろそろ『下交渉』が始まるんですが」(球界関係者)

 好調に首位をキープしており、「16年ぶりのリーグ優勝へ」の機運も高まってきた。普通に考えれば、契約延長だ。

 7月のオールスターゲーム前に球団から監督へ続投を要請する。監督が引き受けるつもりならば、その後、年俸など条件面でのやり取りがあり、球宴休みに“仮合意”を結ぶ。しかし、この後が、ちょっとややこしい。どの球団もそうかもしれないが、親会社にも“お伺い”を立てなければならないのだ。

 「2018年、金本知憲氏も『お伺いの段階』でひっくり返ったんです。シーズン中盤では、指揮官を短期間で交代させるのは宜しくないと球団は考えていたんですが」(前出・同)

 その年は、最下位。下交渉の行われる6、7月は低迷していたが、8月にはいったん盛り返している。3位巨人とも僅差で争っていたが、その後、チームが失速。経営陣も見過ごせない状況になってしまった。

 マイナス思考で考えた場合、この先、僅差での首位争いに一変したら、「3年前の悪夢」を繰り返すことになるが…。

 「近年、阪神の監督は短命に終わっています。そして、新監督に託されるのは再建です」(在阪記者)

 虎ファンは優勝を信じている。同時に“しくじり”があったとしても、矢野体制の継続を望んでいる。しかし、こんな指摘も聞かれた。

 「今季、チームを勢いづけたのは、新人の佐藤輝明選手です。下位指名、育成契約の若手をレギュラーに引き上げたのではありません。選手を育成する基盤作りのためにも、5年以上の計画を立てなければなりません。監督がコロコロ代わっていたら、何もできません」(前出・球界関係者)

 矢野監督も「続投要請」に応えるべきだが、「巨人を警戒しすぎている」の声もないわけではない。ペナントレース再開の最初のカードで原巨人とぶつかるわけだが、予想される先発投手は西勇輝、伊藤将司、青柳晃洋。そのメンツからも分かる通り、3連戦の全てを勝ちにいくつもりだ。

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 「2位巨人との直接対決で勝ち越せば、さらにゲーム差が開き、巨人にも諦めムードが出てくるでしょう。必勝態勢は当然ですが、チームが好調な時なので、藤浪晋太郎に先発復帰のチャンスを与えるべきとの意見もないわけではありません」(前出・在阪記者)

 球団とは続投に向け、下交渉が始まる。そういう大事な時期にライバルとの3連戦がぶつかるとは皮肉なものだが、矢野監督は目先の勝敗に一喜一憂すべきではない。色々な意味で終盤戦まで息が抜けないようだ。(スポーツライター・飯山満)