侍ジャパン前監督の稲葉篤紀氏が北海道日本ハムファイターズのゼネラルマネージャー(以下=GM)に就任した。10月27日、札幌市内の球団事務所で会見を行い、

 「(今までの)経験とチームの強化方針での“スカウティングと育成”。これらを融合させて、強いファイターズを作っていきたい」と語っていたが、「下位からの逆襲」は本当に果たせるのだろうか。

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 「同日、オリックスのリーグ優勝も決まりました。セ、パともに前年最下位のチームの優勝です」(スポーツ紙記者)

 2022年の日本ハムは“異例の体制”となる。前GMでチーム統括本部長職を兼務していた吉村浩氏は、本部長の専任となる。

 ちょっと待てよ…。GMとは、外部補強を含めたチームの戦力編成の責任者だ。GM職を設けていないNPB球団は編成部長、統括部長などの役職名でその職責にあたっている。肩書から察する限り、稲葉、吉村両氏の“二頭体制”となる。

 「新球場移転のこともあり、吉村氏が多忙だったのは本当です。その負担軽減、それから、若い稲葉氏にはいろいろと勉強してもらいたいということでしょう」(球界関係者)

 新体制が混乱を招くことはなさそうだが、肝心の「戦力の再編」に関しては未知数な部分も多い。
「最下位脱出のキーマンは、清宮幸太郎と吉田輝星です。吉田は2ケタ勝利の計算をしています」(前出・同)

 「期待」ではなく、「計算している」という。

 吉田に関しては、今季後半、実は一軍昇格も検討されていた。2018年夏の甲子園大会を沸かせた直球が蘇っており、それでも、昇格が見送られた理由だが、チーム関係者の言葉を借りれば、「あえて温存した」とのことだ。

 「ファーム戦では、本人も自信を持って投げています。昇格の時期を見誤って失敗させたくなかったんです」

 心配なのは、清宮の方だ。ファームで本塁打王のタイトル(西武・渡部健人も同本数でタイトル)を獲得したのは既報通り。しかし、打率は1割9分9厘。三振数もイースタンリーグの単独トップ(113個)だ。一般論として、「ホームランバッターに三振はつきもの」とも言われるが、清宮の場合は違う。

 2ストライク以降、清宮は「三振したくない」の一心から、ボールを当てにいく。だから、力のないスイングとなる。豪快な空振りとは違うので、三振しても相手投手に脅威を残すことができないのだ。

 「清宮と心中するくらいの覚悟で、来季はスタメン起用していく、と。新監督に課せられるのは吉田をエースに、そして、清宮を4番バッターとして育てていくことです」(チーム関係者)

 稲葉氏は「選手とコミュニケーションを取りながら」と、自分なりのGM像も語っていた。

 新監督は新庄剛志氏で内定したという。心配材料を挙げるとすれば、新庄氏は日本のプロ野球情報に疎い。引退後は海外で生活していたため、ファーム戦は見ていないだろう。稲葉氏は現場にも足を運ぶつもりらしいが、背広組がグラウンドに下りていくのは宜しくない。グラウンドが“二頭体制”とならないよう、そのさじ加減が再建のポイントとなりそうだ。(スポーツライター・飯山満)