12月6日、日本ハムの“ビッグボス”新庄剛志監督は笑い、選手会は吠えた。8日に開催される「12球団合同トライアウト」を巡って――。

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 「新庄監督、稲葉篤紀GMがトライアウトを視察する予定です。日本ハムは投打ともに戦力が足りていません。かと言って、大掛かりな補強費を出せないので、トライアウトを受験する選手たちに白羽の矢が立てられたようです」(ベテラン記者)

 日本ハム情報に詳しいプロ野球解説者によれば、二遊間の守れる内野手が補強ポイントだという。

 また、トライアウトと言えば、新庄監督は昨年、現役復帰をめざして自らも受験している。その当時、一介の受験選手が指揮官に就任するストーリーは誰も想像できなかったはず。「厳しいトライアウトにも夢を見ることができる」、そんなビッグボスなりのエールもあるようだ。

 同日で対照的だったのが、労働組合・日本プロ野球選手会だ。大阪市内で開催された定期大会の終了後、事務局長の森忠仁氏がメディアにこう話していた。

 「球団の選手に対する対応を見ていますと、『ちょっとふざけるなよ』というところも感じて。選手と球団が平等ではないんじゃないか?」

 こうしたキツイ言動が出たのは、初めてではないだろうか。

 労働環境、条件などの改善を求めて話し合う組織なので、過去、何度か経営陣とぶつかったことはある。しかし、森事務局長を始めとするスタッフ、関係者は常にソフトな語り口でメディア対応してくれた。今回の定期大会がキナ臭い様相となった理由は、主に2つ。12月5日、千葉ロッテに送付された抗議文のこと、そして、日本ハムの「ノンテンダー」についてである。

 「今オフの年俸更改を始めるにあたって、ロッテ球団の担当者が『一律25%ダウンからスタートする』と言ったとかで。ロッテ側は『誤解されるような…』『説明不足だった』と釈明していました。こちらは決着がつきそうですが、ノンテンダーには納得がいかないようですね」(球界関係者)

 ノンテンダーとは、来季の契約をせず、市場に出すこと。球団がコストに見合うだけの成績を残していないと判断した。

 そのノンテンダーを通告したのは、日本ハム球団。11月30日のファンフェスティバル終了後、新庄監督は「好きな球団に行けるのだから」とノンテンダーとなった3選手(西川遥輝外野手・大田泰示外野手・秋吉亮投手)について答えていたが、批判的な意見もあることをさらに突っ込まれると、「その辺に関しては、僕はタッチしていないので」と、はぐらかした。

 選手会の憤怒もそうだが、新庄監督がこういう物言いをするのも珍しいことだ。森事務局長は「アメリカ(メジャーリーグ)のノンテンダーはFAを持っている選手に対してではない。FAになる前の選手が高額年俸で抱えられない場合にフリーにしている」とも説明していた。

 「日本ハムがノンテンダーを通告した後、いくつかの球団が『こんな方法もあったのか!』と関心を示していました。高額年俸のベテラン選手を整理する方法として…」(前出・同)

 選手会が日本ハムに噛みついてくるかもしれない。新庄監督は視察に集中できないのでは?(スポーツライター・飯山満)