シーズン中の「緊急コンバート」ということになるかもしれない。

 5連敗の後、6勝1敗。キャプテン・坂本勇人のいない原巨人も“新しいチーム像”を構築しつつあるようだ。5月19日の広島戦に勝利した。同点に追いついた3回は先頭打者として出塁し、7回には逆転の適時打を放ったのが、坂本の代役としてショートを守ってきた中山礼都である。

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 「一軍の雰囲気にも慣れてきたのか、表情も明るくなってきました」(プロ野球解説者)

 キャンプ、オープン戦で見た中山の印象は、「試合も声を張り上げている選手」。19日もベテラン・菅野智之を盛り立てようとする声が、カメラマン席や取材エリアにも聞こえていた。

 そんな赤マル急上昇中の若武者を育成について、原辰徳監督は悩まされることになりそうだ。

 「非凡さというものが見える」

 これは、試合後に出た原監督の中山評だ。

 「近日中に、坂本が二軍戦に出場します。早ければ交流戦(24日)の開幕から、遅くとも5月末にはチームに合流できそうです」(球界関係者)

 「坂本の実戦復帰」の情報は、試合開始前に広まっていた。当然、原監督の元にも伝えられており、「最初は指名打者(以下=DH)だと思う」ともコメントしていた。

 そのDH起用を指して、こんな指摘も聞かれた。

 「交流戦から坂本が合流するのでしょう。パ・リーグ球団主催ゲームでDHが使えるので」(前出・同)

 故障した右ヒザは、まだ痛みが消えていないそうだ。実戦で打撃ができるまでに復活しただけで、守備もこなせるようになるにはもう少し時間が掛かるという。

 坂本は「チームの精神的支柱」であり、彼がベンチに入るだけで明るくなる。

 交流戦が終われば、DH制は使えない。成長著しい中山をスタメンから外すことになるが…。

 「完治しないままでの実戦復帰となりますから、一番コワイのは故障個所の悪化です。後半戦は坂本をベンチスタートになる日も作って、中山を使っていくのでは」(前出・同)

 気になる情報もある。原監督は中山の勝負強さを評価している。将来を見据えて、今季は中山をショートで使った方が良いとし、坂本を“臨時コンバート”するというのだ。もうしばらく坂本にショートを守ってもらうかどうかは、オフの課題とし、暫定措置として「一塁・坂本」のプランもあるそうだ。

 19日の広島戦に勝利したが、世代交代の過渡期を迎えたようだ。

 「先発・菅野は球速が落ちています。150キロ以上が計測されたのは1球だけ」(前出・プロ野球解説者)

 ピッチングスタイルも変えていた。これまではスライダーを決め球にしてきたが、同日はフォークボールやカットボールを多投していた。

 投打ともニューフェイスが出てきたが、レギュラー陣を脅かすまでには至っていない。中山がさらに成長できなければ、ペナントレースを乗り切ることはできないだろう。(スポーツライター・飯山満)