30日に行われ、巨人が「1-2」で敗れたロッテ戦。3番手として登板したプロ6年目・29歳の鈴木康平のプレーが物議を醸している。

 問題となっているのは、「1-2」と巨人1点ビハインドの7回裏1死でのこと。マウンド上の鈴木は打席の池田来翔にカウント「2-1」からストレートを投じたが、手元が狂ったのか池田の右手に当たる死球に。池田は左手を膝につきながらうつむくなど悶絶した後、駆けつけたトレーナーに防具を外してもらいつつ一塁へ進塁した。

 1死一塁となり打席には後続の友杉篤輝が入ったが、鈴木は初球投球前に一塁へ素早く牽制球を投球。牽制を受けた池田は死球を受けた右手から帰塁しセーフとなったが、立ち上がった後は右手を下に垂らすなどあまり力が入っていないような様子を見せた。

 この後、池田は友杉の二ゴロで二塁アウトとなりベンチに戻ったが、座席に腰かけるとトレーナーと共に右手指を伸ばすなど患部を確認。また、直後の8回表からは茶谷健太に代わり途中交代となった。

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 鈴木のプレーに、ネット上では「死球は仕方ないがその後の牽制は許せない」、「池田の右手をさらに痛めつける追い打ち行為だ」、「8回の交代も牽制で状態悪化したからでは」といった怒りの声が寄せられた。

 ファンから非難されている鈴木だが、一部からは「代走出さないベンチも悪い」という指摘も上がっている。野球の試合では死球、交錯などアクシデントに見舞われた選手は本人の意思にかかわらず、首脳陣の判断で交代となることが多い。今回の場面は僅差の終盤ということもあり、吉井理人監督ら首脳陣は延長もにらんで池田に代走を送らなかった可能性もあるが、悪化のリスクを考えると交代させるべきと考えたファンも少なくないようだ。

 30日終了時点で「12試合・.373・2本・5打点」と、打席は少ないながら高打率をマークしていた池田。翌31日の報道によると、死球により右手第4末節骨を骨折したが、吉井監督は「痛みに応じてプレーは可能と聞いています。本人はやる気満々なので、その気持ちを大事にしてすぐには抹消しないです」とすぐに抹消はせず数日様子を見る意向だという。

文 / 柴田雅人