5月、熊本で開かれた伊藤環境大臣と水俣病被害者団体との懇談の場で参加者のマイクが遮断された問題。新潟県内でも新潟水俣病の被害者団体から大臣の来県を求める声が上がっていた中、21日、環境省の担当者が新潟市を訪れました。

この問題は5月1日、熊本県で開かれた伊藤環境大臣と水俣病被害者団体との懇談の場で制限時間をオーバーしたとして発言していた参加者のマイクが切られたものです。

その後、伊藤大臣は被害者側に直接謝罪し、関係修復を図るためとして、省内横断のタスクフォースを設置しました。

問題をめぐり、県内でも新潟水俣病の被害者団体が5月31日に開かれる式典への伊藤大臣の出席などを要求。

こうした中、21日、タスクフォースの実務責任者である環境省の前田光哉審議官が新潟市を訪れ被害者団体と面会しました。

【環境省 前田光哉 審議官】
「今回の不適切な運営につきまして、水俣病に関わる全ての皆様方に対し、お詫び申し上げたい。申し訳ございませんでした」

前田審議官はマイクの遮断問題について謝罪した一方、新潟水俣病の式典は国会会期中であることを理由に伊藤大臣は出席せず、別の場で懇談の機会を設ける方針を説明。しかし…

【新潟水俣病被害者団体 小武節子さん】
「九州のほうは行っているでしょ。同じ水俣病でもそれは私は納得いかない。同じ被害者ですよ」

【新潟水俣病被害者団体 皆川栄一さん】
「5月31日というのは特別な日。私たち被害者にとっては」

また、タスクフォースの役割について「関係団体との関係性の修復」とする環境省側の姿勢に対しても厳しい批判の声があがります。

「救済の話はタスクフォースには入っていない」
「ただ意見を聞く、これはマイク遮断と似たようなことになりかねない」

被害者団体側の声に前田審議官は「持ち帰る」「大臣に伝える」と繰り返しました。

【新潟水俣病被害者団体 皆川栄一さん】
「官僚対応だなと感じた。患者の気持ちをもっと伝えていかなければいけない」

【環境省 前田光哉 審議官】
「対応できるものについては、できるだけ真摯に検討し、対応していきたいと思っているので、また本省に持ち帰って、本日いただいた意見を大臣にきちんと伝えていくことから進めていく」

環境省は6月の国会閉会後、できるだけ早く伊藤大臣との懇談の場を設けたいとしています。