少雪による水不足が今、コメづくりに大きな影響を与えています。さらに梅雨入りも遅れる中、水不足に悩む農家の現状を取材しました。

【記者リポート】
「新潟県十日町市蒲生地区の棚田です。こちらの棚田は稲があり、水も張られていますが、反対側の下にある棚田は水がまったくありません。作付けができない状態です」

星峠の棚田など美しい景色も有名な十日町市松代。そこで見られたのは、水の張られていない棚田です。

【コメ農家 柳芳健さん】
「普通、田植えをしてから日照りが続いて水がなくなるのはけっこうあったが、(そもそも)田植えができないというのは、ちょっと今までにない」

山あいでコメづくりを行うコメ農家を悩ませていたのは水不足でした。

【コメ農家 柳芳健さん】
「横井戸になっていて、(本来は)横井戸から水が湧いて出るはずだが、いくらも出ていない。春先は雪どけ水が頼りで」

今年の雪まつりでは市民が作る雪の芸術作品の審査会が中止になるなど、少雪だったことに加え、春先以降も雨の日が少なかった十日町市。

雨水や雪どけ水が主な水源となる松代地区や松之山地区ではこの水不足で田植え前の田んぼの整備に必要な“代かき”ができず、合わせて約24ヘクタールの田んぼで作付けができない事態に陥っています。

【コメ農家 柳芳健さん】
「とにかくコメは水が一番大事だから、その水がたまらないことにはコメづくりは無理」

こうした農家からの声を受け、十日町市では渇水被害対策として水路の掘削費用やポンプやホースの設置にかかる費用の最大50%を補助する応急対策事業の実施を決めています。

【十日町市農林課 鈴木規宰 課長】
「農家さんが望んでいる支援を考えながら迅速に(対策を)打っていきたい。ぜひ、農家さんも2年続きで大変な状況も予測されるが、ともに頑張っていただきたい」

補助金の上限は40万円で、補助の対象期間は6月12日から9月末までとなっています。