28日、神奈川・逗子市の海水浴場では、海開きが行われました。日本の夏の風物詩ですが、遅い梅雨入りや物価高など、海の家からは不安の声が聞かれます。さらに三浦市にある三浦海岸海水浴場では、ついに今年は海水浴場を開設しないことが決定されました。

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28日、あいにくの雨に見舞われた神奈川・逗子市の海水浴場。海開きでにぎわうはずだったビーチから飛び込んだのは子どもたちではなく、海水浴客を守るライフガードです。

梅雨入りが平年より遅い今年。不安の声は海の家からも…

逗子海岸営業協同組合・常務理事 勝田康司さん

「平日晴れで週末雨という予報。なんとか週末だけでも晴れてもらえれば」

雨の他にも不安なのが資材の高騰。プラスチックの椅子は、購入時は1000円台でしたが、今では5000円台だといいます。

そんな中、期待も…

逗子海岸営業協同組合・常務理事 勝田康司さん

「円安の関係で海外に人が出づらくなるのかな。国内でちょっと夏休み楽しもうって、海の家とか海水浴場に来てくれればうれしい」

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海の家事情がより深刻なのが、三浦市にある三浦海岸海水浴場です。

記者

「海水浴場は開設していませんと看板があります」

50年ほど前には砂浜を埋め尽くすくらいあったという海の家も高齢化などの影響で去年はわずか2軒に。そして、今年はついに海の家の設置希望者がいなかったため、運営費の確保などができず、海水浴場を開設しないことを決めました。

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そして、海の他に夏といえば花火。鎌倉の夏の風物詩・鎌倉花火大会がコロナや物価高騰の影響のため中止されていましたが、来月、5年ぶりに開催されます。

その盛り上がりの波に乗ろうと、鎌倉市にある海の家では花火大会に合わせて特別席を設置していました。

BEACH SOUND・オーナー 徳武智昭さん

「(天候で)売り上げがかなり左右されるんで、雨が降った分、花火で取り返せたらいいな」

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一方、打ち上げ花火の中止を決めたところもありました。

「関東三大七夕まつり」の1つに数えられる埼玉県狭山市の「入間川七夕まつり」。祭りのクライマックスに約5000発の花火が夜空に打ち上げられます。

花火はコロナ禍で中止が続いていましたが、去年、4年ぶりに復活。しかし市民からは…

狭山市民

「まだ子どもが小さかったのでベビーカーで行った。埋もれちゃうぐらいで怖かった」

去年の祭りでは、来場者が急増。さらに、花火の燃えカスが住宅の屋根などに落下したところもあるといいます。

七夕祭りの実行委員会は、花火の打ち上げには住民の理解が必要とし、今年の花火は中止にしたということです。

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また、見物客の足にも影響が出ています。静岡市の夏の風物詩「安倍川花火大会」。例年、見物客が利用していたシャトルバスの運行を今年から取りやめるというのです。

安倍川花火大会本部 原田正男会長

「会場までのバスがない」

背景にあったのは、運転手の労働時間の規制強化によって人手不足が深刻となっている「2024年問題」。大会当日、夜遅くまで運行した場合、翌日の路線バスの運行に支障をきたすため、断念せざるを得なくなったということです。

イベント開催へ努力が続けられる中、まだまだ課題は残りそうです。