国連の安全保障理事会で20日、ロシアが提出した宇宙空間への兵器配備を禁止する決議案の採決が行われましたが、日本やアメリカなどが反対し、否決されました。

宇宙空間へのあらゆる兵器配備を禁止する国連安保理の決議案は、ロシアが主導したもので、中国や北朝鮮などが共同提案国となりました。採決に先立ち、ロシアは「今こそ宇宙を軍拡競争から排除することが必要だ」として、決議案への賛成を呼びかけました。

ただ、ロシアをめぐっては、衛星を標的として宇宙に配備する新型核兵器を開発していると伝えられています。アメリカは、これを念頭に「ロシアは新たな核兵器の開発から世界の関心をそらそうとしている」と指摘し、決議案への反対を呼びかけました。

採決では、ロシアや中国など7か国が賛成しましたが、日本やアメリカなど7か国が反対し、否決されました。安保理では先月、日米が主導した宇宙の非核化を求める決議案がロシアの拒否権行使により否決されていて、宇宙の軍拡競争を抑止する手立ては見いだせていません。