1億円プレーヤー続出のホークス。連続日本一へ攻守ともに景気よし!

1億円プレーヤー続出のホークス。連続日本一へ攻守ともに景気よし!

 もともと球界年俸総額で断トツ1位のホークス。2017年は日本一奪回したとあって、今オフはさらに景気が良く大盤振る舞いとなっている。

 日本球界でも4億円超プレーヤーとなれば14名しか確認されていないが、うち8名がホークスの選手だ。なかでも柳田悠岐は2018年シーズン中に国内FA権を取得することも考慮されて3年契約を結んだ。年俸は当初4億円と伝えられたが、地元スポーツ紙によれば5億5000万円だったと推定されている。もし後者ならば、前年比2億8500万円もの大幅アップで、日本人現役選手トップに立ったことになる。

 また、2017年の年俸総額は42億800万円(2位巨人が36億8653万円)だったが、2018年は45億円を超える見込みだ。ちなみに、この数字には選手会加入選手のみでサファテ(年俸5億円)やデスパイネ(4億円)、バンデンハーク(4億円)といった外国人選手は含まれていない。

孫オーナー「金満うんぬんと言う人がいますが……」

「“金満”ソフトバンクと言われますが、球団の黒字経営の中から選手らに還元しています。金満うんぬんと言う人がいますが、言わせておけばいいんじゃないかと思います」

 孫正義オーナーは、11月に行われた球団スポンサー向けのパーティーにVTR出演してこのように述べたという。もともと球界に参入した頃から「メジャー級の選手待遇を目指す」と公言していた。

 ホークスの売上高は約278億円(2017年3月期の決算公告)だ。先頃、「阪神タイガースが2018年3月期に球団史上初めて200億円突破か」と報道されていた。観客動員数1位のタイガースでこれなのだから、ホークスはすでに球団ビジネス面でも「盟主」の座を確立したと言っていいのかもしれない。

 また、今オフのホークスでは新たに“億”を稼ぐプレーヤーが4人も誕生した。

 そのうちの1人はWBCで活躍しシーズンでは勝率第1位のタイトルを獲得した千賀滉大(1億2500万円/6000万円アップ)なのだが、残る3人の顔ぶれがなかなか興味深い。

中継ぎ、ユーティリティ……脇役に大きな励み。

 セットアッパーの岩嵜翔(1億3000万円/6800万円アップ)と森唯斗(1億3000万円/4300万円増)、そしてユーティリティプレーヤーの明石健志(1億円・3年契約/4500万円アップ)である。

 球界において、働きぶりほど年俸に反映されないと言われて久しい中継ぎ投手や、ばりばりのスタメンではないユーティリティ選手がこれだけ高く評価された意味は大きい。短期決戦はともかく、長いペナントレースを勝ち抜くのはエースや4番といった個の力ではなく「チーム力」だ。いわゆる「脇役」と呼ばれる立場の選手たちにとって、これは大きな励みになる。

 特に、中継ぎ投手を含めたブルペン陣の働きは、今のプロ野球においてシーズン順位に最も影響するポジションだと考えられている。2016年にホークスは「最大11.5ゲーム差」をひっくり返されてファイターズに優勝をさらわれたが、リリーフ陣の不安定さが敗因の一因になった。

 圧倒的なリーグVを果たした2017年にしても、その部分においては開幕前には不安要素がかなり大きかった。

岩嵜、森の奮闘に五十嵐亮太も刺激を受けた。

 最速161キロを誇る有力なセットアッパー候補だったスアレスが、ベネズエラ代表として参加したワールドベースボールクラシックで右肘を故障。結局トミー・ジョン手術を受けて、シーズン絶望を余儀なくされたためだ。

 その大きな穴を、岩嵜と森が本当によく埋めてくれた。岩嵜は前年(35試合)の倍以上となる72試合に投げ、46ホールドポイント(以下HP、前年は10)を記録して自身初となるタイトルに輝いた。この2つの数字はいずれも球団新記録だった。

 森は自己最多の64試合、35HPの成績を挙げた。入団から4年連続で55試合以上登板を続けている誰もが認める鉄腕だが、一方で前年までは勤続疲労のためか数字は右肩下がり状態だった。

 2017年の森は、シーズン途中に新球種としてツーシームを取り入れるなど「変化を恐れない」姿勢を見せた。この姿勢には他のチームメイトも称賛。特にチーム最年長で同じリリーフ右腕の五十嵐亮太は「唯斗のああいう姿勢は大好きだね。年下だけど見習わないといけないと思ってる」と声を上げていた。

田中正義、高橋純平のリリーフ起用もあり得る?

 その五十嵐も46試合登板で防御率1.73の好成績。しかし、17HPでセットアッパーとしての起用が多かったとは言えなかった。結果的に2017年のホークスのブルペン陣はかなり層が厚かった。ワンポイント左腕では58試合に登板した嘉弥真新也の活躍が光り、さらにはシーズン途中に加入したキューバ人左腕のモイネロも34試合で19HPと良い働きを見せた。

 2018年の連覇に向けても、無論ブルペン陣はカギを握る存在だ。

 ただ、プロ野球記録の54セーブを挙げた守護神サファテ、そして球団新の数字を叩きだした岩嵜あたりに、同様以上の数字を期待はすれども、求めるのは酷な話だ。「上積み」を考えるならば、復帰が待たれるスアレスのように前年が振るわなかった投手の台頭を期待する方がいいかもしれない。

 その意味ではドラフト1位入団ながら右肩リハビリで苦しんだ田中正義はうってつけだ。150キロオーバーの速球で空振りをとれる。投手タイプで考えれば、リリーフ適正はあるだろう。その前年ドラ1の高橋純平も球には力があり、先発争いに入り込めなかった場合はリリーフ起用もあり得る。

世代交代が遅れ気味の野手陣も、甲斐や上林が成長。

 一方の野手陣でV奪回の立役者となったのは35本塁打、103打点で二冠王を獲得したデスパイネだった。前年のV逸は李大浩の抜けた穴が埋まらず、長打力不足が敗因の1つとなった。しかしキューバの至宝が加わり、さらに柳田も2年ぶりの30発超えと元気を取り戻したのは大きかった。

 さらに内川聖一や松田宣浩といったベテラン勢もまだまだ元気。投手に比べれば世代交代がやや遅れている感は否めないが、25歳捕手の甲斐拓也が捕手陣の中で最多出場し、22歳の上林誠知が規定打席をクリアしオールスターにも出場するなど、貴重な経験を多く積んでいる。

 また2017年は、守備の固さも際立った。シーズン143試合で38失策は歴代最少タイ記録で、さらにチーム守備率.993は新記録だった。これもチームの強さを象徴する。

ホークスにとって創設80周年のメモリアルイヤー。

 2018年、ホークスの強みは日本一メンバーとほとんど顔ぶれが変わらないこと。パ・リーグの他球団に比べれば主力選手の流出は限りなく少なかった。これはペナントレースを戦ううえで優位に働くのではないか。

 そしてホークスにとっては、球団創設80周年のメモリアルイヤーになる。2月には巨人とのOB戦が宮崎で開催され、シーズンでは月に一度のペースで「レジェンドデー」なるイベント試合が行われる見込みだ。「鷹の祭典」も東京ドーム2連戦という新しいチャレンジを含めて、史上最大規模の10試合が組まれている。

 選手別で見れば内川が2000安打まで残り25本、サファテが250セーブまであと21に迫っており、2人の名球会プレーヤーが誕生する楽しみもある年になる。

 今の黄金期がバブルのように弾けないことを祈りつつ……。

 そして、2018年が、すべての人にとって景気のイイ1年になりますように!

文=田尻耕太郎

photograph by Hideki Sugiyama

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