杉田祐一、全豪でトップ10に初勝利!インタビューでの意外な告白とは。

杉田祐一、全豪でトップ10に初勝利!インタビューでの意外な告白とは。

 激しい咆哮が物語る会心の勝利だった。

 開幕した全豪オープンの初日、男子シングルス1回戦で杉田祐一が第8シードのジャック・ソックを6−1、7−6(4)、5−7、6−3で撃破した。トップ10プレーヤーからの初白星は、テンポの速いプレーで自らの持ち味を存分に発揮して得たもの。なかでも、華麗な攻撃あり、粘り強い守備ありでタイブレークを勝ち取った第2セットには、彼の魅力がつまっていた。

 これで四大大会は、初勝利を記録した昨年のウインブルドンから3大会続けて初戦突破。2009年の初挑戦から17回連続で予選敗退し、本戦到達後も1回戦突破に3年を要したのがウソのような躍進ぶりだ。

「一気にドーンと飛び越しちゃった」ツアー初優勝。

 昨年は7月のアンタルヤで日本人男子3人目となるツアー優勝を遂げ、その四大大会初勝利をはさんで、シンシナティのマスターズで初めてベスト8入り。

「もったいないですね(笑)。一気にドーンと飛び越しちゃったので、1つ1つやったぞというのがなかった」

 と本人も言うほど、壁だったはずの何かを次々と乗り越えたシーズン。自己最高ランキングは日本人歴代2位の36位まで上げた。錦織圭という桁違いの前例がなければ、テニス界を越え日本中が沸いてもおかしくない活躍ぶりだ。

 でも、なぜ今なのか。

 デ杯代表として最年少勝利をマークするなど、杉田は早くからその才能は注目されていた。その後のあまりに長い足踏みの後、29歳はいかにして飛躍のシーズンを迎えたのか。昨季を振り返りつつ、今季の展望について語ってもらったNumber943号の杉田祐一インタビューは、意外な告白からスタートした。

優勝後のコートではなく、試合前のホテルで号泣。

 もっとも印象的だったというシーン、優勝したアンタルヤでの一幕だ。

「誰にも言ってなかったんですけど……。朝起きて、今からツアーの決勝だって思ったときに、尋常じゃない喜びと、今までの長かった道のりが思い返されて、思いっきり泣いてしまって(笑)。あまりテニスで泣いたことがなかったんですけど、いろいろな感情がよみがえって」

 優勝後のコートではなく、試合前のホテルで号泣。あれだけの快勝劇の直前にそんな感情の高まりを抑えていたとは驚きだが、なにより気になるのは、そうさせた「長かった道のり」の方だろう。インタビューでは、徹底して自分と向き合ってきたその時間について、じっくりと考えながら言葉をつないでくれた。

 同期がトップ100の壁、四大大会出場の壁をあっさりと破っていく横で、頑固な性格と付き合いながら時間をかけて成長したその過程。例えば、プレースタイルの確立にもずいぶんと試行錯誤をしているという。ジュニア時代から一貫したスタイルだと捉えられがちなのだが、それは違うのだ。

「変えたんですよ。10代の頃が一番コートのなかに入れていました。でもレベルが上がるとやっぱり入れないんです。だから10年間近く、いろいろ試しました。けど、やっぱりしっくりくるのが高校のときにやっていたテニスだった」

 そこから現在のスタイル完成へ向けた細かな調整が始まった。

「うまく分別できるようになったんですよ」

 また、自他ともに認める頑固者だが、助言の受け取り方は変わってきたようだ。

「聞くようになった、ではなく、うまく分別できるようになったんですよ」

 記者会見でもインタビューでも、以前はなかなか本音を見せなかった杉田の口から、次々とクリアな言葉が出てくる。

 なぜいまなのか。

 杉田の言葉に耳を傾ければ、そんな疑問は解消し、素直に必要な道のりだったと思えるはずだ。

 長い回り道を抜け、ようやく表通りに出てきた杉田は17日、初めての全豪オープン2回戦に挑む。

文=生島洋介(Number編集部)

photograph by AFLO

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