若手野手ブレイクの方程式発見!?今季と来季注目すべき選手とは。

若手野手ブレイクの方程式発見!?今季と来季注目すべき選手とは。

「前々年:二軍で長打率4割→前年:一軍で40安打超え」

 これは、一軍で実績のない若手野手の中から、その年に活躍する選手を予想しようと私が作った方程式だ。現役の一流選手たちの足跡をたどるうちに行き着いた数字で、たとえばこんな選手たちが当てはまる(カッコ内は当時の所属球団)。

 イチロー(オリックス)'93年二軍/長打率.640→'94年一軍/210安打(打率.385)
 中村剛也(西武)'04年二軍/長打率.603→'05年一軍/62安打(打率.262)
 糸井嘉男(日本ハム)'07年二軍/長打率.579→'08年一軍/45安打(打率.239)
 中田 翔(日本ハム)'09年二軍/長打率.674→'10年一軍/49安打(打率.233)
 柳田悠岐(ソフトバンク)'11年二軍/長打率.518→'12年一軍/48安打(打率.246)
 筒香嘉智(DeNA)'11年二軍/長打率.457→'12年一軍/84安打(打率.218)
 鈴木誠也(広島)'14年二軍/長打率.415→'15年一軍/58安打(打率.275)

 そこで、一流選手は無名時代、二軍でどんな成績を残していたのかを調べてみた。目を引いたのは、長打率の高さだった。

上林、外崎と中谷、山川、大田は少し違うステップ。

 イチローのように二軍で高い長打率を残し、すぐ翌年に一軍でブレークする人もいるが、中村、糸井、中田、柳田、筒香、鈴木らは「二軍で長打率4割→一軍で安打数40本」というステップを踏んでいる。2017年にブレイクした選手で言うと、この2人だ。

 上林誠知(ソフトバンク)'16年二軍/長打率.421→'17年一軍/108安打(打率.260)
 外崎修汰(西武)'16年二軍/長打率.545→'17年一軍/113安打(打率.258)

 両者ともいきなり覚醒した、いわばイチロー型だった。

 一方で中谷将大(阪神)、山川穂高(西武)らは3年越しのステップで一軍の戦力になったケースだ。山川は40安打こそ超えていないものの、2017年の成績を見れば、3年越しでのステップアップと言っていいだろう。

 中谷将大 '15年二軍/長打率.424→'16年一軍/41安打→'17年一軍/99安打
 山川穂高 '15年二軍/長打率.478→'16年一軍/36安打→'17年一軍/72安打

DeNA宮崎の「長打率4割超」は見逃せなかった。

 ブレイク候補を予想する際に数字だけで判断することは、主観を排除できるという利点がある。

 たとえば、昨年セ・リーグで首位打者になった宮崎敏郎(DeNA)は'14年に二軍で長打率.432(安打85)、一軍では'15年に44安打、'16年に88安打を放ち、レギュラーになっている。もし「長打率4割超え」という視点がなかったら、'12年ドラフト6位の宮崎に注目することは、私にはできなかったと思う。

 では、今年「第2の宮崎」になるのは誰なのか、過去1〜2年の成績を見ながら考えていきたい。

ソフトバンク甲斐は打撃でも一流になれるか。

 まず「'16年:二軍で長打率4割超、'17年:一軍で30安打以上」放った選手を調べていった。今回は40安打を打った選手が少なく、ハードルを30安打に下げたことをご了承願いたい。

 昨年、パ・リーグ捕手部門のベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を受賞した甲斐拓也(ソフトバンク)は、守備はすでに球界を代表するレベルだが、バッティングでも一流になれるかは今年の成績にかかっている。甲斐以外では横尾俊建(日本ハム)、バティスタ(広島)にブレイクの予感が漂う。

 甲斐拓也 '16年二軍/長打率.535→'17年一軍/安打48
 横尾俊建 '16年二軍/長打率.485→'17年一軍/安打32
 バティスタ '16年二軍/長打率.419→'17年一軍/安打32

 横尾は守備位置が問題になりそうだが、昨年は一軍で一塁13試合、二塁13試合、三塁5試合、外野13試合を守って失策はゼロだったので、堅実さは評価できる。

 バティスタはホームラン王候補にも名前が挙げられるほど長打力が抜きん出ているので、今さらレギュラー争い云々の話はしなくてもいいだろう。

2019年ブレイク候補として安打数に注目すべきは?

 より長期的な観点で、2019年のブレイク候補として安打数に注目したい選手は誰だろうか。2017年に二軍で長打率4割超えを記録した主な若手は以下の通り。

 栗原陵矢(ソフトバンク)、愛斗(西武)、内田靖人、田中和基(以上楽天)、淺間大基、高濱祐仁、森山恵佑(日本ハム)、坂倉将吾、下水流昂(以上広島)、陽川尚将(阪神)、佐野恵太(DeNA)、岡本和真、山本泰寛(以上巨人)、廣岡大志(ヤクルト)。

 特に優れた成績なのは、花咲徳栄時代に大瀧愛斗の名で甲子園を騒がせた愛斗だ。昨年は二軍で本塁打8、53安打、打率.358の成績で長打率は.615。高校時代は外野手として抜群の強肩を見せ、キャッチャー寄りでボールを捉えるバッティング技術も光っていた。1学年下の鈴木将平(高卒2年目)との一軍争いが演じられそうだ。

 イースタン・リーグ本塁打王は内田靖人、森山恵佑が18本塁打で分け合い、3位には廣岡大志が16本で続いた。ただ内田は2年続けて二軍で4割超えなので、今年一軍でブレークしないと“二軍のホームランキング”と言われかねない。

広島・坂倉、巨人・岡本、ヤクルト・廣岡という存在。

 急速に注目を集めているのは、高卒2年目の坂倉だ。広島の捕手は一軍に會澤翼、石原慶幸、磯村嘉孝、ドラフト1位で入団した中村奨成もいる。にもかかわらず、'16年ドラフト4位の坂倉が注目されるということは、それだけの力があるということだ。昨年は二軍で規定打席に到達、メヒアに次ぐ打率.298を記録した。

 巨人・岡本とヤクルト・廣岡は、球団の後押しも期待できそうだ。巨人は村田修一を戦力外にしてまで岡本が飛び出しやすい環境を作った。内田同様、ファームでは2年連続して長打率4割超えなので「若手」とは呼びづらい段階に入りつつある。今年が勝負の年と言って間違いない。

 廣岡は「山田哲人2世」と言っていいほど、打つ形が山田に似ている。バッティングは文句ないが、昨年は二軍での守備率が悪く、2試合守った二塁で.875、44試合守った三塁で.928、74試合守った遊撃で.938だった。スターの可能性を感じさせるが、守備名人の大引啓次の安定感は健在。今年のヤクルトは難しい選択を迫られそうだ。

文=小関順二

photograph by Naoya Sanuki

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