「サンウルブズ、今は我慢の時」元ジャパン大西将太郎からのエール。

「サンウルブズ、今は我慢の時」元ジャパン大西将太郎からのエール。

 38人。これは、今季まだ3試合しか戦っていないサンウルブズで、先発なり途中出場なりで試合に出た選手の人数だ。23人枠(先発15人+控え8人)で試合ごとにメンバーが大幅に入れ替わる――いかにサンウルブズが苦しい戦いを強いられているか見て取れるだろう。

 とにかくケガ人が多い。レベルズ戦とシャークス戦で11番を背負ったウィリアム・トゥポウは、本来センターの選手。シャークス戦10番の立川理道は、12番でこそ実力を発揮できる。10人近い負傷離脱者がいる上に、残っている選手をベストのポジションで起用できない。さらにはニュージーランド勢ですら移動距離、時差、寒暖差に手を焼くタフな南アフリカ遠征である。戦前からサンウルブズは極めて厳しい状況に追い詰められていた。

 3月10日、ダーバンで行なわれたシャークス戦で、サンウルブズは22−50と今季最多失点を喫して敗れた。

あれだけ外側から倒していくと……。

 試合序盤の正直な感想は、「今日はいけるかも」だった。シャークスの9番、ルイ・シュラウダーは元クボタの選手で(2016年在籍)、僕が観た限り、付け入る隙がないわけではない。現にサンウルブズは10番ロバート・デュプレアも含めた相手ハーフ団にプレッシャーを掛け続けていた。

 それが何度かのチャージダウンからカウンターという形で実を結びかけていたのだが、楕円のボールはサンウルブズ側に都合よく転がってはくれない。やがてシャークスにスペースをうまく使われ、終わってみれば7つのトライを献上してしまった。

 一番の問題点は、最多失点という結果が示すように、ディフェンス(DF)である。あれだけラインスピードを上げて、外側から相手を倒していく現行のDFシステムは、どうしても「外側が空く」という弊害がある。

 当然プレーしている選手たちもその問題点を自覚してはいるが、そのスペースをまんまとシャークスに突かれてしまった。この日本代表にも共通するラッシュ・ディフェンス自体を変える必要はない。

 外側の空いたスペースを相手に使わせないために、選手同士のコミュニケーションとコンビネーションの質、精度を高めて、外側にパスを回させないDFをすることが重要だと思う。

ネバーギブアップの心意気で向上を。

 大敗した中でも希望を持てたのは、庭井祐輔のプレーだった。昨季最終節のブルーズ戦(2017年7月15日)で左膝脱臼骨折という大ケガを負い、その復帰戦となったシャークス戦。常に身体を張り続け、大柄なシャークスFWにも組み負けず、素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれた。堀江翔太、ジャバ・ブレグバゼとフッカーの負傷離脱が重なっているだけに、サンウルブズ首脳陣も胸を撫で下ろしたことだろう。

「5位以内」という壮大な目標を掲げ、蓋を開けてみれば開幕3連敗。その事実は重い。しかし前節レベルズ戦で破綻していたラインアウトがシャークス戦で改善されたように、サンウルブズは、ひとつずつ、一歩ずつ向上していくしかない。

 ネバーギブアップ――。キャプテンのヴィリー・ブリッツが試合直後に胸を張って言い切ったこの言葉こそ、スタッフも含めたサンウルブズのチーム全員が胸に刻むべき心意気だろう。

 この週末は2季連続ファイナリストであるライオンズとの一戦と、その次週は秩父宮に戻り、過去2度の優勝を誇るチーフスとの対戦が控える。

 難局に挑み続けるサンウルブズ。今は、我慢の時だ。

(構成:朴鐘泰)

文=大西将太郎

photograph by Getty Images

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