大阪桐蔭は選手の進学先を調査する。監督は大学の補強ポイントまで把握。

大阪桐蔭は選手の進学先を調査する。監督は大学の補強ポイントまで把握。

 先日、東京六大学リーグの開幕日に6人もの大阪桐蔭出身の選手が試合に出場し、スポーツニッポンは「大阪桐蔭祭り」というタイトルで詳細を報道した。6人の内訳は3年生が1人、2年生が2人、1年生は3人だった。

 大阪桐蔭の西谷浩一監督は「うちの選手が早くから試合に出られるのは、穴のポジションのところに行ってるから」と話す。

 西谷監督は大学野球の選手名鑑を毎年、2、3冊購入するという。そして、1冊はボロボロになるまで読み込むそうだ。

「4年生は赤とか決めて、色を付ける。そうすると『来年、内野手が全部抜けるやんけ』とひと目でわかる。下級生の内野手を見て『これやったら、うちの選手が勝てるんちゃうか』とか。

 それで、この大学はショートとセカンドがいない、みたいに書き留めておく。僕がこの大学の監督だったら、どこのポジションの選手が欲しいだろうってことは常に考えてます。そうすると、実際の補強ポイントはだいたい僕が思った通りになる」

中学生の親は進学先のランクを見る。

 西谷が進学先にこだわる理由は2つある。1つは、リクルートのためだ。中学生は甲子園に出られるチームを選びたがるが、中学生の監督や親は、いい大学に入れてくれる高校を選びたがる。それは西谷監督も心得ている。

「大事です。大事です。将来的に野球で飯を食っていけない選手は、関関同立とか、ちょっとでも学力の高い大学に入れてやりたい。その方が就職も有利ですからね」

 そして、もう1つ。

 西谷監督は全国制覇に導くこと通算6回、また中村剛也(西武)、西岡剛(阪神)、中田翔(日本ハム)、浅村栄斗(西武)らをはじめ何人もの教え子がプロの世界でもトップ選手に育つなど、いくつもの勲章を持っている。しかし、いちばんの喜びは別のところにあると話す。

「いちばん嬉しいのは、高校時代、控えだった選手が大学や社会人でレギュラーになって活躍してくれることですね」

 そのためにも進学先は慎重にならざるをえない。

狙い通り大学経由でプロへ行った選手も。

 2012年、エース藤浪晋太郎(阪神)を擁して春夏連覇を達成したときの2番手投手は澤田圭佑だった。藤浪の陰に隠れがちだったが、大阪大会では藤浪を上回る5試合に登板するなど、西谷監督が「陰の立役者」と称えた選手だった。その労に報いるためにも、西谷監督は最良の進学先を見つけてやりたいと考えていた。

「澤田のレベルなら、明治とか、法政でもやれると思ったのですが、立教の投手陣がいちばん手薄だった。スカウトの意見も参考にしましたよ。立教だったら、すぐ投げられますかねって聞いたら、絶対に投げられるって言われました。社会人やプロに獲ってもらうためにも、1年生から使ってもらった方がインパクトがありますからね」

 結果的に澤田は1年生のときから主戦として活躍し、大学4年間で22勝を挙げ、大学卒業後はドラフト8位でオリックスに入団した。

 東京六大学という強豪リーグで、一度に多くのOBが活躍する理由――。それは単に「いい選手」を入れているからではなく、西谷監督が適材適所を見極めているからなのだ。

文=中村計

photograph by Hideki Sugiyama

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