大学野球の走塁タイムは大谷級!?ドラフト候補の全力疾走は必見だ。

大学野球の走塁タイムは大谷級!?ドラフト候補の全力疾走は必見だ。

 5月5日と7日、観戦に訪れた大学野球で素晴らしい走塁を2つ見た。まずは5日の首都大学リーグの桜美林大対帝京大だ。同リーグ戦は翌6日に東海大が通算70回目のリーグ優勝を飾り、帝京大と桜美林大はすでに5、6位が確定していた。

 そんな状況でも帝京大は、筆者が俊足の基準にしている打者走者の「一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達12秒未満」を7人(13回)、桜美林大は6人(11回)がクリアしたのだ(以下「タイムクリア」と表記)。

 当初、この日の観戦目的は第1試合の筑波大対日体大戦、第2試合の武蔵大対東海大戦だった。第1試合ではドラフト1位候補、松本航(日体大4年)が2安打完封、第2試合では原田泰成(東海大3年)が来年のドラフト候補にふさわしい力投で6安打、1失点完投を成し遂げた。

 ここまでバックネット裏には学校関係者以外にも一般の野球ファンやプロ野球のスカウトが散見できたが、第3試合を迎える頃には学校関係者やビデオ撮影やスピードガンでピッチャーの球速を計測する偵察隊しかいなくなっていた。

右打者が多くても次々とタイムクリア。

 しかし、1、2回に両大学の選手が次々とタイムクリア。特に帝京大は7回まで最低1人がタイムクリアを果たした。8回に途絶えてしまったが、9回には1人が達成している。全イニング達成はこれまでの記憶になく、筆者もイニングが進むごとに気持ちが高まった。

 帝京大のスタメンは左打者4人、右打者5人だった。タイムクリアだけを見れば、右打者が多く不利と言える。しかし左打者を6人以上並べた場合、左投手に苦しみがちだ。この日の試合を戦った6校はすべて左打者と右打者のバランスが5対4、もしくは4対5だった。その中で帝京大が7人13回、桜美林大が6人11回、タイムクリアを達成したのは見事だ。

 なお帝京大では草野里葵(1年)が4打数すべてでタイムクリア。4.25秒で一塁に到達した打席もあった。また6番星田嶺央(3年)はレフト前ヒットで4.32秒、センター前ヒットで4.38秒という好記録を残している。三塁打では、11.30秒で三塁到達した。

慶大が“全イニングクリア”を達成。

 そして2日後の5月7日、東京六大学リーグの立大対慶大。両大学ともに走れるチームなので期待していたが、慶大は“全イニングタイムクリア”を見事に達成した。

 この日の慶大のスタメン構成は左打者4人、右打者5人。立大の左打者8人、右打者1人に比べて、一塁到達には0.2〜0.3秒の遅れが出る。しかし、立大の1人1回に対し、慶大は6人17回がタイムクリアを果たした。

 2番の河合大樹(4年)は6打席中3本のクリーンヒットを放つなど、すべてタイムクリア。6番内田蓮(4年)もレフト前ヒットで4.25秒で一塁に到達している。彼らを含めて複数打席でタイムクリアした選手をここで紹介したい。

河合大樹:(1)右前打4.18秒(2)一塁ゴロ4.15秒(3)投手ゴロ4.18秒(4)左前打4.26秒(5)投手ゴロ3.97秒(6)中前打4.08秒
瀬戸西純:(1)投手ゴロ4.15秒(2)中前打4.26秒(3)バント3.87秒(5)投手ゴロ3.98秒
柳町達:(1)三塁ゴロ4.19秒(2)一塁ゴロ4.19秒(6)遊撃ゴロ4.21秒
内田蓮:(1)左前打4.25秒(5)二塁失策4.17秒

 この4人だけで15回達成している。一方で右打者は4番郡司裕也(3年)が5回にソロホームラン、5番嶋田翔(2年)が2安打。打撃面でクリーンアップの役割を果たしている。足を使えるタイプと走者を還せるタイプが並ぶ打線は理想的と言ってもいいだろう。

サニブラウンに勝った男は今も速い。

 プロも含めて多くの選手はヒットを打つと走りを緩めるので、4.5秒以上かかる。だからこそ慶大と帝京大の徹底した全力疾走は他校の模範になると言っていい。

 筆者は速く走る選手が多いチームが有利と考えている。7日の試合は慶大が7対1で立大を圧倒した。第4週が終わった時点で6勝1敗、勝ち点3で慶大が首位を走っている。

 翌8日、東都大学リーグの中大対国学院大戦では中大の2番五十幡亮汰(2年)が第2打席でセーフティバントし、一塁到達が3.55秒という速さだった。

 私が計測した中では今年の一塁到達ナンバーワンタイムで、全打席でタイムクリア。さすがに中学時代、全国規模の陸上競技大会でサニブラウンに勝っただけある。

大谷と比べても同等のタイムが!

 二塁打の二塁到達タイム最速は5月1日の中大対立正大、立正大の3番小郷裕哉(4年)が記録した7.66秒が私のランキングでは今年2番目の速さで、三塁到達の最速タイムは6日、帝京大の8番池田陵太(3年)が第2打席で記録した11.06秒だった。

 大谷翔平(エンゼルス)が4月12日のロイヤルズ戦で三塁打を放ち、そのときの三塁到達タイムが11.49秒だったと話題になったが、日本の大学野球にはそれ以上のタイムで走る選手が存在する。

 大学野球のリーグ戦が大詰めに差し掛かっている今、身近な球場に足を運んで、野球場のグラウンドで行われている全力疾走を見てもらいたい。

 プロ野球、メジャーリーグも顔負けの走り合いがきっと見られるはずである。

文=小関順二

photograph by Tadashi Hosoda

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