香川真司は批判の声を跳ね返すか。「僕は上手く起点になれればいい」

香川真司は批判の声を跳ね返すか。「僕は上手く起点になれればいい」

 ガーナ戦、スイス戦の連敗でいよいよ批判の声が高くなってきた日本代表。ひとつ気になるのは、西野朗監督がガーナ戦、スイス戦とシステムは変われど、先発メンバーを固定気味に戦っていることだ。

 コンディションを優先した人選なのか? それともチームの土台作りのため、早々に先発を決めてしまったのか?

 西野監督は「世界を戦ううえでは走れる選手が必要」と語っている。そして、前線からの守備力の重要性についても。しかし、守備力や運動量に課題を持つ選手の先発起用が続いているのも事実だ。

 ガーナ戦では前線からのプレッシングがほとんど見られず、相手DFへの寄せの甘さから、先制点を許している。

「前から行く」ことをテーマに掲げたというスイス戦では、実際には守備時に1トップが孤立してしまってもいた。2失点で敗れた結果は別にしても、好機を作ることができなかった。

 ボールの収めどころである大迫勇也をスイスに強くマークされたことで、日本のプランは崩れた。試合の強度やスピードは上がらず、リズムに乗った攻撃もできなかった。

 そんな2試合を経て、新たな戦力を試したいという考えなのか、コンディション調整なのか、最後のテストマッチとなるパラグアイ戦では先発メンバーを大幅に入れ替えるという。

香川真司は攻撃のスイッチになりたい。

 6月10日の非公開練習は、スイス戦で出場時間の長かった選手は軽めの調整で終了し、残りの選手たちで入念なトレーニングが行われたようだ。

 後者の一員であり、パラグアイ戦でトップ下での先発が予想される香川真司がスイス戦を振り返った。

「攻撃の改善点はたくさんあった。そういうところでは、自分がリスクを背負わないといけないと思っている。ただ、1人でやれるものでもない。チームとして崩す形は今日の練習のなかから確認したし、それを試合でトライしたい。

 この前の試合ではわかっていなかったところもあったので、もう一度整理してやりたいなと。たとえばボール回しのなかで、ボールを持った選手に対して、受け手の選手がどういうタイミングでボールを受けにいくのか。どういうタイミングでサイドバックは連動するのか。

 そういう連動や(攻撃の)スイッチの入れどころがなかなか持てていなかった。だから、スピードもあがらなかったと思う。

 ただ、それはひとつの動き出しや共通意識の持ち方で変わっていく部分。それを試合に出た選手で確認し、細かい修整ができれば、改善は見られると思う。

 そこから先は、前を向くのか3枚目を活かすのかという個人のクオリティーをどれだけ高められるかであったり、1人ひとりがどれだけチャレンジできるかだと思うので。そこへいく過程をもっと増やし、僕はそういうところで上手く起点になれればいい。(パラグアイ戦で)違うものをみんな1人ひとりが生み出せるように、そこは意欲的にやっていきたいです」

「後ろ向きなことは考える必要はない」

 大迫がひとりで奮闘していた前線からの守備についての問題点にも、香川は明確なビジョンを持っている。

「(スイス戦の)映像を見ましたが、サコが明らかに孤立していた。もう少しトップ下、僕や(本田)圭佑くんだったり、両サイドが高い位置をとっていかないと。そこで相手にもっとプレッシャーを与えたい。

 たしかに守備はそんなにはやられていなかったですけど、それ以上に相手はショートパスでミスをしていた。そのことを試合中に感じられたら、もっと前から行けた。そういう部分を僕たちは変えていく必要があるし、感じてやっていかないといけない。

 選手が連動できれば良いプレッシングがかかっていたので、そこをもっと、自分たちはやれるんだっていうストロングポイントに変えていく。やられたらどうしようという後ろ向きなことは、そこまで考える必要はないんじゃないかなと。

 僕や岡ちゃん(岡崎慎司)でそのスイッチを入れなくちゃいけない。相手が嫌がるようなプレスをかけていきたい。そのためにはもっともっと汗をかいてやる必要がある」

リスクを冒すのが自分の良さでもある。

 トップ下として、どういうプレーが必要か。それは同じポジションでプレーする本田圭佑とポジションを争ううえで、違いを生み出す重要なポイントとなるだろう。

「トップ下にしばられることはない。どう動くか、自分がどういうところで受けたら一番チームにとっても個人としても輝くかというのは常に意識している。

 そして、バイタルに入ったら、やっぱりリスクを冒さないといけない。そこでのプレーが自分の良さでもあるから。もちろんきれいに崩すのもサイドからセンタリングしてというのも理想だけど、相手が固い守備をするなか、リズムを変えたい時に前を向いて仕かける時間帯、前へ入り込んでいく時間帯というのは必要。スピードをあげる時間帯もそうですけど、リスクを冒すことも大事だと思います。

 そういう意味で失うものはないので。何を言われようが、もう……言われ切ったと思っているし(笑)、チームも個人も。だから恐れはない。あとは上に向かっていくだけなので。そこを選手がどれだけ信じてやれるか、それを体現したいし、僕は。だからすごい前向きで、本当に楽しみですね」

 力強く迷いなく話す香川の言葉に、チャンスを前にした彼の覚悟が伝わってきた。

 結果はもちろん、その内容で状況を変えられる。それは選手個々人だけでなく、チームにとっても同様だ。日本代表に対する世間の眼も、まだ変えられるかもしれない。

文=寺野典子

photograph by Takuya Sugiyama

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