NBAファイナルはアッサリと終了。異次元だったKD、レブロンの握手。

NBAファイナルはアッサリと終了。異次元だったKD、レブロンの握手。

 NBAファイナルが、アッという間に終わってしまった。

 とても、さびしい。

 もうちょっと見ていたかった、というのが私の本音だ。

 ゴールデンステイト・ウォリアーズとクリーブランド・キャバリアーズの顔合わせは4年連続で、これまではGS、CLE、GSと勝者が入れ替わっていたが、今年はウォリアーズが“Sweep”、4連勝で幕を下ろしてしまった。

 アッという間だったプレーオフをちょっと振り返ってみると……。

レブロンにシンパシーを感じたあの握手。

 レブロン・ジェームズには、これまであまりシンパシーを感じたことはなかった。とにかく、アスリートとして「恵まれ過ぎている」というのが私の印象だった。

 しかし、今回はじめてシンパシーを感じた瞬間があった。

 キャブスが瀬戸際に追いつめられた第4戦、地元でのウォリアーズの優勝はなんとしても阻止したいところだったが、第3Qからウォリアーズがスパート。レブロンの力でもどうにもならない状況になっていた。

 そして試合終盤、残り4分3秒の時点でレブロンはベンチに下がることになった。

 白旗、降参。

 このときのレブロンが、とてもスマートだった。4年にわたって覇権を争ってきたウォリアーズの面々と握手を交わした。淡々とした表情で、敗北を受け入れた潔さがにじみ出ていた。

 いい年齢の重ね方をしているな、と思った。負けたスーパースターの姿というのは、なかなか味わい深い。

レブロンは来季どこへ?

 シーズンが終わっても主役はレブロンのままだ。レブロンはFAになるので、その行方が注目されているというわけ。キャブスに残留する選択肢もあるが、ラスベガスのオッズメーカーは以下の順番で予想をしている。

1 レイカーズ
2 ロケッツ
3 76ers
4 キャバリアーズ
5 スパーズ
6 ウォリアーズ
7 クリッパーズ
8 ヒート

ウォリアーズ移籍はないだろうが……。

 6番目にウォリアーズって……。それは絶対にないだろう、いくらなんでも。

 一方、レイカーズ、ロケッツ、76ersのユニフォームを着たら、どのチームでも面白い。

 レイカーズは再建途上だが、レブロンが加入することで、様々な化学反応が起きるはずだ。レブロンもイエローとパープルのユニフォームを着たいんじゃないかな。

 ロケッツの場合、司令塔のクリス・ポールがFAになるので、その交渉の進捗状況にも影響される。ロケッツがポールとマキシマム・コントラクト(最大限、最高額での契約)を結んだ場合、レブロンに投資する予算は乏しくなる。

 そして 76ersがいちばん興味深く、野心的な選択肢だ。若手の有望株が多くプレーしており、レブロンが指揮者としてタクトをふるうには最高の環境かもしれない。

 さてさて、レブロンの決断は?

KD is just great.

 勝者を後回しにしてしまって申し訳ないが、今季もウォリアーズのバスケットを十分に堪能した。

 特に、カンファレンス決勝のロケッツ戦あたりから、チームのギアがトップに入り、“アンストッパブル・オフェンス”は最上のエンターテインメントだと、改めて感じた。

 ステフィン・カリー、クレイ・トンプソンのスリーポイントシュートは相変わらずスリリングだったし、ドレイモンド・グリーンの闘志、アンドレ・イグダーラ、ショーン・リビングストンらのいぶし銀のプレーも良かった。

 しかし、KDことケビン・デュラントのパフォーマンスは傑出していた。歴代のNBAの大スターに匹敵するものだったと思う。

 とにかくKDがシュートを打つとなると、「入る」と誰もが感じていたのではないか。特にファイナル第3戦での43点のパフォーマンスは圧倒的で、オクラホマシティ・サンダー時代、ウォリアーズ相手にちょっとばかり「チキン」なところをのぞかせていたKDとは似ても似つかぬ選手になった。

 ちょっとばかり、マイケル・ジョーダンの姿がよぎったほどだった。

 KDもFAになるが、ウォリアーズから離れるつもりはないようだ。つまり、来年もウォリアーズが本命ってことだ。

ウォリアーズを苦しめたロケッツ。

 正直、ファイナルよりも、ウェスタン・カンファレンス決勝、ウォリアーズとヒューストン・ロケッツのシリーズは大層面白かった。

 ロケッツはホームコート・アドバンテージを持ち、3勝3敗で迎えた第7戦をホームで戦うことが出来た。ウォリアーズに引導を渡すチャンスだったのだが……。

 しかも前半は描いたシナリオがうまくハマり、54−43とリード。ところが、後半に入ってシュートタッチが壊滅的になった。後半の得点は38点にとどまり、千載一遇のチャンスを逃してしまった。

 かえすがえすも残念なのは、司令塔のクリス・ポールを第6戦、第7戦とケガで欠いてしまったこと。

 ポールはウェイク・フォレスト大学時代からリーダーシップ抜群で、「こういう人がいるチームが勝つんだろうな」とずっと思っていた。実際、ポールがいたならば、第7戦の展開もまったく違っていたことだろう。

 でも、肝心な時にケガをしてしまう。

 こういう選手の評価は難しい。

 ポールもFAになる。果たして、ロケッツは33歳の彼に大枚をはたく勇気があるだろうか?

JR・スミス、落ち込むなよ。

 ファイナルの第1戦、キャブスには勝つチャンスがあった。残り4秒で同点。キャブスのジョージ・ヒルがフリースローを決めれば逆転となり、ファイナルが俄然、盛り上がったことだろう。

 ところがヒルはフリースローを外し、そのリバウンドをキャブスのJR・スミスが取った。大チャンスだ! ブザービーターを決めればファイナルの流れが大きく変わっただろう。

 ところが……。スミスは勝っていると勘違いして、ハーフコート付近にドリブルで撤退。時間を稼ぎ、ファウルをもらおうとした。同点と気づき、パスを出したのは2秒ほど経ってからだったか。時すでに遅し、キャブスはチャンスを逃した。

 申し訳ないけれど、これだけの珍プレーは滅多にお目にかかれない。

 1993年、NCAAファイナルのノースカロライナ大とミシガン大の試合で、ミシガンのクリス・ウェバーが持っていないタイムアウトを取ってしまい、それが直接的な敗因になってしまったことがあったが、それクラスのボーンヘッドだった。

 第2戦、ウォリアーズのファンから拍手で迎えられたスミス。

 これが、いかにもアメリカらしいスタイルでした。

 さて、レブロンやポールの動向がきになるオフ。来季の開幕を待たずとも、NBAは話題満載なのである。

文=生島淳

photograph by Getty Images

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