Jを背負うのは日本人だけじゃない!W杯に出場する7人+イニエスタ。

Jを背負うのは日本人だけじゃない!W杯に出場する7人+イニエスタ。

 8人と7人。

 ロシアW杯の最終メンバー入りを果たしたJリーグ所属選手の数だ。前者は日本代表の国内組で、東口順昭(ガンバ大阪)、中村航輔(柏レイソル)、槙野智章(浦和レッズ)、昌子源(鹿島アントラーズ)、遠藤航(浦和)、植田直通(鹿島)、山口蛍(セレッソ大阪)、大島僚太(川崎フロンターレ)。後者は外国籍選手の数である。

 日本人として、我が国の代表チームも気になるが(色々と腑に落ちないことが多いけれども、選手たちの健闘だけは祈る)、普段から間近で観ることのできる外国籍選手たちの活躍にも期待する。開幕を直前に控えた今、世界最大の檜舞台に立ちうる助っ人Jリーガーに、あらためて注目したい。

韓国の中盤を仕切るチョン・ウヨン。

 おそらくお察しの通り、最多の5人は韓国代表にいる。そのなかで唯一、複数の選手を送り出すのはヴィッセル神戸だ。クラブで主にCBとしてプレーするチョン・ウヨンは、代表では中盤センターの熾烈なポジション争いを制して、主将キ・ソンヨンのサポートを務める模様。

 京都サンガでプロデビューし、25歳で代表初キャップを刻んだ守備のマルチロールは、今予選では8試合の出場(1試合は終盤に途中出場)。その後の親善試合でも存在感を高め、昨年のE-1選手権での働きにより、守備的MFの一角を手中に収めた。

 忘れもしない2017年12月16日の味の素スタジアム。日本がホームで永遠の宿敵に1−4と歴史的な大敗を喫した試合で、ひときわ輝いていたのが中盤の底で試合をコントロールしていた相手の16番だ。28歳になったばかりのチョンは強烈なブレ球のFKを直接決めただけでなく、それ以外にも惜しいミドルを何度か放ち、強くて正確なパスで試合をつくっていた。

 当時、卑屈なほどに長いキックばかりを蹴り続けマイボールを易々と敵に献上していた日本と比べ、韓国が少し眩しく見えたのは、中盤でボランチがきちんと本来の仕事をしていたからでもある。チョンはその後の親善試合にも全試合に出場しており、ロシアでもレギュラーを務める見込みだ。

キム・スンギュ、チャン・ヒョンスらも。

 神戸の守護神であるキム・スンギュも、先発を任されそうだ。近年、日本のトップリーグでは多くの韓国人GKが活躍しているが、そうした面々を抑えて代表でファーストチョイスを担っているのがこの27歳だ。

 前回大会の最終戦で代表の公式戦にデビューすると、以降はキム・ジンヒョン(C大阪。今大会の最終メンバーにも)やチョン・ソンリョン(川崎)、クォン・スンテ(鹿島)らと激しく定位置を争いながら成長。シン・テヨン監督の就任を機に、ポジションをつかんだ。優れた反射神経と大舞台に動じない精神力を備える27歳は、昨年暮れのE-1選手権を負傷で回避したが、今年の代表戦では9試合中6試合に出場している。

 負傷者や不調者の続出する最終ラインを統率するのはFC東京のチャン・ヒョンスで、サガン鳥栖のCBチャン・スンヒョンはそのバックアップとして抜擢された。

オーストラリアはデゲネク&ナバウト。

 オーストラリアの守備陣にもJリーガーがひとりいる。そう、横浜F・マリノスのミロシュ・デゲネクだ。

 セルビア人の両親のもとクロアチアで生まれた彼は幼少期に凄惨な戦争を体験し、「希望のない世界から僕ら家族に手を差し伸べ、夢を持ってもいいと教えてくれたオーストラリア」に愛国心以上のものを持っている。陸上競技のエリート選手だった父を持つこの24歳は、「サッカールーズの一員としてW杯で懸命にプレーすることが、オーストラリアへの最高の恩返し」と地元メディアに語った。心身ともにタフなCBが厳しいグループに臨むチームを支える。

 レバノン人の著名なボディビルダーの父の血を受け継ぐ浦和のFWアンドリュー・ナバウトは、やや迫力に欠ける前線の起爆剤として、まだ4キャップながらベルト・ファンマルバイク新監督の構想に入った。

忘れてはならないイニエスタの存在。

 以上が現時点でのJリーグ勢7人だが、W杯後に日本でプレーするこの選手に触れないわけにはいかない。神戸に加入するアンドレス・イニエスタは、ロシアで自身にとって最後のW杯に出場する。代表でもクラブでもすべてを手にしてきた34歳のフットボールマスターが、ラストステージでどんなパフォーマンスを披露するのか。そして我々日本在住のファンは、その姿が毎週観られるようになることに胸の高鳴りを感じている。

 願わくば、これを契機にJリーグにもワールドクラスのスター選手がさらに増えるように。フェルナンド・トーレスも来るかもしれないし、ユベントスのクラウディオ・マルキージオやマンチェスター・ユナイテッドのアンデル・エレーラ、バルセロナのジェラール・ピケ、チェルシーのセスク・ファブレガスなど、日本という国に好感を持つ欧州のトップ選手は少なくない。

 それにJリーグとそのクラブはダゾーンとの契約金で、間違いなく以前よりは潤っている。でも率直に言って、神戸など一部のクラブを除き、ここまでの戦力補強はその増額を反映されたものとは言えない。内部留保? そんな狭量なカルチャーに、フットボールまでもが染まるべきではない。日本のトップリーグにとっても、このロシアW杯が新たな始まりになることを願う。

文=井川洋一

photograph by Getty Images

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