福西崇史が現地で見たW杯直前情報。日本のプラス材料、優勝候補は?

福西崇史が現地で見たW杯直前情報。日本のプラス材料、優勝候補は?

 日本代表より先に、ロシアへと到着しました! ロシア対サウジアラビアの開幕戦を前日に控えたルジニキスタジアムでの前日練習や会見にも足を運びました。現地で過ごしてみると……まだ意外と盛り上がっていないかな、という感じです。もちろん開幕したら国内のテンションも一気に上がってくるんだろう、と期待しています。

 去年のコンフェデレーションズカップでも感じたところですが、ロシアは前回のブラジルに比べると間違いなく涼しい。大会が進んで夏に近づくほど気温は上がってくるでしょうが、そこまで厳しい暑さにはならなさそうです。

 直射日光はとても強いので早い時間帯でキックオフする試合では注意が必要ですが、選手の立場としては最後まで足が止まることがなく、かなりいい環境でプレーできるはず。

 それは日本だけでなくライバル国も同じですが、ハイレベルな戦いが見られるのではないでしょうか。

スイスとパラグアイには差があった。

 さてロシア入りする前に、日本代表のスイス戦を現地で見て、パラグアイ戦も映像でチェックしました。スイス戦は0−2、パラグアイ戦は4−2と対照的な結果になったわけですが、対戦相手のチーム状況が全く違うことは大前提として触れておきたいです。

 スイスはポゼッションもできるし、日本がボールを持つとすぐにプレッシャーをかけ続けるなど、W杯本番を意識した戦いぶりだった。日本としてはなかなかフィニッシュまで持ち込めず、90分間通じて決勝トーナメント進出を狙っているチームの完成度だなと感じました。

 一方でパラグアイはW杯出場を逃し、長期的な視点でチーム作りをしている段階。モチベーションはスイスより明らかに低くて、日本がボールを持っても「寄せが甘いな」とは感じました。

乾と香川が活きたのは岡崎の献身もある。

 とはいえ、西野監督にとって初勝利となったパラグアイ戦では攻撃面で結果が残せたことは自信になると思います。特に乾と香川はゴールやアシストという結果はもちろん、セレッソ時代にチームメートだったからこそのコンビネーションが出たのは大きい。

 2人が活きた理由としては、岡崎のプレーぶりも大きかった。得意の裏を狙う動きを繰り返したことで、パラグアイの最終ラインがズルズルと下がっていった。これで中盤との間にスペースが空いた結果、乾と香川のテクニックと連係が活きました。その好影響はボランチに入った柴崎にもあって、鋭い縦パスで攻撃のスイッチを入れていましたね。

 このテンポの良さが出せれば、日本にとっては理想的な展開です。ただし初戦のコロンビア戦はハメス・ロドリゲスやクアドラド、ファルカオなど前線にワールドクラスの選手がいるだけに、パラグアイ戦ほど押し込む時間帯は長くはならないでしょう。

 そこを踏まえて西野監督は先発メンバーを選ぶことになる。バランスを取りつつコンディションのいい選手をどう使うか……これは相当難しい判断でしょうね。

2列目の組み合わせ、長友の金髪について。

 フォーメーションは4-2-3-1が基本でしょう。ただ前線の組み合わせは、誰が出てもいい状態になってきた。それは岡崎、香川、乾のコンディションが整ったことにあります。3人は国内合宿に合流した段階でケガの影響が懸念されていました。ただパラグアイ戦でそれぞれ長時間プレーできたことはプラス材料です。

 トップ下は香川もしくは本田、左サイドは乾か宇佐美、1トップだと岡崎か大迫、右サイドだと原口か武藤となります。それぞれの良さをどう組み合わせていくのがベストなのか。コロンビア戦直前まで見極めていくことになるでしょう。

 ちなみにチーム内のムードは、いい方向に行っているんじゃないかなと思います。日本でも話題になりましたが、長友の金髪が象徴的です。日韓W杯の時は髪を染めた選手がもっといましたけど(笑)。

 もちろん、ああいったタイミングでアクションを起こすのは長友らしいし、チームメートの心もほぐれる。“イジられる”ことがコミュニケーションのきっかけになったりします。

 いろいろ言われたとしても、すべて受け入れる覚悟があるからこそでしょうし、W杯は活躍するかどうかがすべて。本人もそれを分かった上での行動でしょうし、どんどんポジティブな雰囲気を作ってほしいです。

優勝候補筆頭は……やっぱりブラジル。

 最後に今回の優勝国予想もしますね。僕はブラジルもしくはドイツが総合力で上回ると思っていましたが、ブラジルvs.オーストリアを観戦して、ブラジルが一番近い位置にいるかなと感じます。

 この試合では負傷から復帰したネイマールが足裏タッチからのファインゴールを決めました。そのシーンをまさに目の前で見ていて、思わず「やっぱりネイマール、すごいわ」と言ってしまいました(笑)。しかも、4年前と比べてチーム全体が“ネイマールだけ抑えておけばいい”というレベルではなくなっている。

 ネイマールだけでなくコウチーニョも1人でゴールまで打開できるし、どこからでも攻撃のスイッチを入れられる強みがある。ちょっと攻め込まれる場面があったのは事実ですが、今のサッカーはゴールに迫るスピード感が求められるだけに、ブラジルの攻撃力は他国にとって脅威になるでしょうね。

 ブラジルやドイツなどの優勝候補は決勝までの7試合を見据えて戦うでしょうが、日本はまずグループリーグ3試合、そして決勝トーナメント進出することに集中してほしい。期待と覚悟を背負って勝利を目指すことはもちろん、4年に1度のW杯、1人のサッカー選手として思う存分楽しんでピッチに立ってほしいと思います。

(構成・茂野聡士)

文=福西崇史

photograph by Getty Images


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