錦織圭、シーズン折返し地点で16位。ファイナルズへ逆転進出の可能性は?

錦織圭、シーズン折返し地点で16位。ファイナルズへ逆転進出の可能性は?

 長かった春の赤土の季節が終わり、美しい緑が映える芝の季節が始まると、テニスシーズンは折り返しを迎える。

 2016年のトップ5(アンディ・マリー、ノバク・ジョコビッチ、ミロシュ・ラオニッチ、スタン・ワウリンカ、錦織圭)全員が、2017年に長期離脱を決断するという衝撃的な昨シーズンから半年。ついに今週マリー(イギリス)が1年ぶりに復帰し、5人全員が表舞台に戻ってきた。

 その復帰組の中でも、素早い復帰を決めたのが錦織圭だ。

 一時39位まで落ちてしまったランキングも現在27位。もう間もなく昨シーズン欠場していた時期に入るため、これからはランキングが右肩上がりになるのは間違いない。

 スピード復帰を裏付ける数字がもう1つある。今シーズンの成績のみで決まるレースランキングで、錦織は全仏オープン終了時点で16位につけている。

 全豪オープンを欠場し、シーズン開幕から出遅れた錦織がこの位置につけていることは、好材料に他ならない。まだまだ伸びしろは十分だ。

年末までにトップ10、トップ8復帰も可能。

 そこで気になってくるのが、レースランキングの「その先」だ。

 11月のパリマスターズが終了した時点で、このレースランキングは通常使われるランキングと一致する。基本的にはその時に8位以内に入っていればNitto ATPファイナルズ(以下最終戦)への参加が決まる。

 全仏オープン終了時で錦織は8位とわずか295ポイント差につけている。これはATP500の準優勝ポイント(300)とほぼ同じであるから、今週の結果次第で最終戦圏内に入る可能性があるほどの小さな差だ。

 つまり、年末までにトップ10、トップ8への復帰も十分に可能な位置につけている。

年に1、2人は逆転トップ10入りしている。

 シーズン終盤になると最終戦ボーダー付近の選手に対して、テニスファンが「逆転で最終戦出場も十分狙える」と評することが多くなるが、実際どのくらいの確率で可能なのか? 過去の結果から検証してみた。

 2011年全米オープン以降のデータを参考にすると、過去6年間で全仏オープンが終了した段階でレースランキングトップ10にいた選手は、85%の確率でそのままトップ10でシーズンを終えている。

 逆に言えば、15%、年に1人か2人は逆転でトップ10に食い込んでいることが分かる。さらに最終戦争いで言えば、過去6年間で全仏オープンが終了した段階でレースランキングトップ8にいた選手は、83%の確率でトップ8のままシーズンを終え、最終戦に出場している。

 これを多いと見るか、少ないと見るかは難しいところだが、まだ入れ替えは十分にありうる。

10位台のポイントが密集なのも追い風か。

 さらに今年は例年と傾向が異なっており、トップ選手の獲得ポイントが特徴的な分布を示している。

 ここ6年間で全仏オープン終了時レースランキング8位の選手の獲得ポイントは、1725〜2560ポイントで推移してきた。しかし、今年は1500ポイント(ジョン・イズナー)とかなり低い。

 それだけではない。19位の選手の獲得ポイントはここ6年間で865〜1135ポイントで推移しているが、今年は1055ポイントとやや高めなのだ。

 なぜ19位という数字で比較したかというと、今年の19位にはあの元王者、ジョコビッチがいるからだ。

 トップ10にいる選手が順当に勝ち上がりポイントを積み重ねていたBIG4全盛時代と違い、今はどの選手も継続して勝ち上がることができず、ポイントが分散した結果が10位付近の密集状態を生んでいると推測している。

逆転を狙えるのはやはりジョコと錦織。

 例年にも増して最終戦出場争いは熾烈になることが期待されるし、その中でも逆転の可能性が高いのは、元トップ選手でシーズンを通しての戦い方を知っているジョコビッチと錦織ではないだろうか。

 逆転トップ10、逆転最終戦出場のためには、全米オープン終了までに視界が開けた状態にしておくことが必須だ。過去7年間で全米オープン以降に逆転で8位に滑り込んだ例はわずか4例しかなく、そのうち3例は8位と遠くないポイントで11位以内につけていた。

 過去の結果から言えば、錦織はまだウィンブルドンベスト8の経験がなく、前哨戦での準優勝以上の成績もない。芝シーズンは苦手と見る人も多い。しかし、トップ選手になってからは毎年けがで満足な試合をこなせていないというのが現状だ。

 今年の錦織圭は、復帰後まだ大きなけがを一度もしていないというポジティブな面がある。もし健康なまま十分なパフォーマンスを披露できれば、思わぬ大活躍で後半戦のスタートを切れる可能性もある。

 11月にロンドンであの大舞台が待っているかもしれない。

文=今田望未

photograph by Getty Images


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