アメリカはスポーツ殿堂の宝庫。テニス殿堂に錦織、国枝は入れる?

アメリカはスポーツ殿堂の宝庫。テニス殿堂に錦織、国枝は入れる?

 アメリカはスポーツ殿堂の宝庫だ。

 19世紀発祥のスポーツは、ある競技は欧州から輸入し、ある競技は国内で誕生し、アメリカは近代化とともに発展させてきた。

 その「歴史」を共有する空間であり、「伝統」を醸成する仕組みとして、アメリカ人はスポーツの「殿堂」(Hall of fame)を設立してきた。米国発祥の野球やバスケットボールだけではなく、時にはテニスやゴルフといった輸入されたスポーツにでも、まるでそこが発祥の地のように国内に殿堂を構えている。ざっと調べただけで以下のものがある。

アメリカ野球殿堂(ニューヨーク州クーパーズタウン)
世界ゴルフの殿堂(フロリダ州セントオーガスティン)
バスケットボールの殿堂(マサチューセッツ州スプリングフィールド)
プロフットボールの殿堂(オハイオ州カントン)
国際ボクシング殿堂(ニューヨーク州カナストータ)
※ロサンゼルスには世界ボクシング殿堂もある。
バレーボールの殿堂(マサチューセッツ州ホリヨーク)
国際水泳殿堂(フロリダ州フォートローダーデール)

「テニスの王子様」も並べられている。

 国際テニスの殿堂はニューヨークから車で3時間ほど北東へ行った、ロードアイランド州のニューポートにある。

 19世紀末から20世紀にかけて市民の社交場として賑わったニューポート・カジノクラブは1881年に第1回全米選手権(現在の全米オープン)が行われた会場で、この敷地に1954年に設立された。当時の建物や緑の芝のコートが今も残されたまま、殿堂の施設となっている。

 博物館には19世紀末に使用されていた木製のラケットやニットのウェア、全米選手権の優勝トロフィーなどテニスの歴史がうかがえる資料やアイテム、殿堂入りした選手たちの実績を紹介したパネルがあり、名選手たちの使用ラケットなども展示されている。

 テニスを題材にしたゲームやマンガ、雑誌の陳列もあり、日本の関係では「テニスの王子様」の英語版が並べられていた。

錦織の殿堂入りには四大大会勝利が必要?

 7月2日開幕のウィンブルドン選手権の後、短い芝の季節の終わりを告げるホールオブフェーム選手権(ATP250)が殿堂の敷地内のコートで開催される。大会中には殿堂入りのセレモニーが行われ、今年は1991年ウィンブルドン男子シングルス覇者のミハエル・シュティヒ(ドイツ)と女子ダブルスで生涯グランドスラムを達成したヘレナ・スコバ(チェコ)が表彰される。

 残念ながら、日本人で殿堂入りした選手や関係者はまだいない。テニスの発展に貢献した功労賞では、日本テニス協会の盛田正明名誉会長と同協会の副会長だった川廷栄一氏(故人)の2人が受賞している。

 最近殿堂入りした選手を見ると、四大大会でのタイトル獲得は必須といった感じだ。錦織圭が2014年に全米オープンで準優勝した翌年に、殿堂のトッド・マーティン最高経営責任者(CEO)に将来の殿堂入りの可能性を尋ねると「圭はこの1年間で大きな衝撃を与えた。四大大会優勝などコーチのマイケル・チャン氏が見せたような活躍を果たせば、十分に可能性はある」との返答だった。

 アジア男子初の四大大会優勝という、歴史に名を残す実績が必要というメッセージと受け止めた。

実績で群を抜く国枝慎吾も十分に資格がある。

 日本人でもう1人、将来の殿堂入りの可能性があるのは、車いすテニスの国枝慎吾選手だ。博物館の車いすテニスの展示では、国枝選手の写真パネルを背景に最新の車いすが陳列されていた。

 既に2010年には同競技の創設者とも言えるブラッド・パークスさんが殿堂入りを果たしている。競技者として群を抜く実績を誇る国枝選手もその仲間入りを果たす資格は十分にある。

 殿堂入りの選考はこれまで有識者や殿堂入り受賞者、メディア関係者によって行われていたが、2019年からはファン投票も実施されることになったという。実績や貢献度だけでなくファンの声も反映される形になり、アジアを代表する錦織と国枝にもその可能性は広がりそうだ。

文=吉谷剛

photograph by Getty Images


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