“3メートルのパンダ”に会いたくて!「新根室プロレス」本拠地を訪ねた。

“3メートルのパンダ”に会いたくて!「新根室プロレス」本拠地を訪ねた。

“アンドレザ・ジャイアントパンダ”に会いたい――。

 強い思いを胸に、羽田から2時間かけて釧路へ飛び、釧路から3時間車に乗って根室へと向かった。アンドレザ・ジャイアントパンダとは、2017年にプロレス界にデビューし、ファンの話題を独占。最近では『行列のできる法律相談所』や『めちゃ×2イケてるッ!』など人気バラエティー出演も果たした売れっ子レスラーだ。

 移動中の車中から見えるのは一面の草原と、放牧された牛たち。

 まっすぐに伸びる道路が延々と続く。

 やがてたどり着いた根室の町で、身長3m、体重500kgのアンドレザが所属する『新根室プロレス』は活動していた。

現れたのは、2階の屋根にも届かんとする巨大パンダ。

 団体の本拠地は、ホビーショップ『ブルート』。新根室プロレス代表であるサムソン宮本が経営者を務める店である。

 約束の時間に『ブルート』前で待っていると、アンドレザを従えたサムソンが来てくれた。2階の屋根にも届くアンドレザ。巨体に笑みを浮かべながら、シャッターが閉まった店も散見される商店街を歩いてくるパンダの姿には、恐ろしささえ感じた。

 身を引き締めて待つ取材班も、アンドレザが近づくと「でかい!」と声をあげて笑顔になっていた。とにかく大きい。そしてのそのそと歩く動きがかわいい。

 魅力は一瞬にして伝わってきた。とにかく大きく、愛らしい。目が離せなくなってしまう。

キレのあるロープワークを見せたアンドレザ!

 そのまま写真撮影を行っていると、近所の子どもが「パンダだ!」と叫んで近づき、目の前のお弁当屋さんも「私も写真撮っていい?」と寄ってくる。そんな人気者のアンドレザは、地元のお祭りでデビューした。

「テレビに出て、雑誌でも特集してもらえてから、地元にも認めてもらえたんですよ」

 サムソン宮本はそう言って笑ったが、人気レスラーの存在は、確かに地元を明るくしていた。

 その後、新根室プロレスの練習場であるリングに向かった。「初お披露目です」というロープワークを見学させてもらったが、アンドレザのキレは抜群。ロープを大きくきしませながら、左右に走り回り、高い運動能力を実感させられた。

 昨年11月と、今年4月に大日本プロレスの試合に出場し、スタン・小林やハルク豊満から勝利を挙げている彼にとっては当然のことなのだろうが、3mの巨大なパンダが俊敏に動き回る姿は、どこか非現実的で、興奮する光景だった。

6月半ばにストーブを焚いての取材に。

 取材を行ったのは6月13日だった。

 東京の最高気温27度に対し、根室はなんと7度! 薄い長袖シャツ1枚で取材に向かった記者は寒さに震えた。

 サムソン宮本はインタビュー会場で、わざわざ我々のためにストーブまで焚いてくれ、温かい火に当たりながら話を聞かせてもらうこととなった。

日本列島の端から端まで大人気の「プロレス」。

 新根室プロレスは自動車学校の先生、介護職員、銀行員、酪農家、漁師などがレスリングをするアマチュアの愛好家集団だ。アンドレザ・ジャイアントパンダが加入するまで、10年間の活動を行ってきた。

 話を聞いて浮かび上がったのは、プロレスを愛する人間たちのドラマ。それも、北海道の北東部で展開されてきた、濃密な物語だった。

 プロレスは一部のファンだけに支えられているものではない。日本の端から端までで楽しまれている、魅力的な競技なんだ――。

「パンダに会いたい」という軽い気持ちで行った地で、取材班は大きなことを学んだのだった。

文=二瓶仁志(Number編集部)

photograph by Shiro Miyake


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