錦織圭、ギラギラの夏を思い出せ!2年ぶりツアー最終戦へ勝負の季節。

錦織圭、ギラギラの夏を思い出せ!2年ぶりツアー最終戦へ勝負の季節。

 錦織圭の得意な夏がやってきた。

 クレーと芝で着実に本来のテニスを取り戻して迎えた北米のハードコートの陣。右手首のけがから復帰したシーズンも残り3カ月となり、本人の胸にも期するものがあるようだ。

 ワシントンでのシティ・オープン初日。世界ランキングと最終戦のATPツアーファイナルズへの見通しをぶつけた。大会前の時点で、世界ランクは1800Pで20位。上位8人が進めるツアーファイナルズへは1610Pで11位だった。

 昨年は8月のシンシナティで練習中に右手首を負傷し、それ以降は欠場したため、これから失うポイントはほぼない。そのため、世界ランクの見通しは前向きなものだった。

「(トップ10を)早く取り戻したいというか、これからランキングを伸ばすチャンスではあるし、頑張りたいなという気持ちはさらにある。ハードコートはやっぱり好きなコートの1つなので、なるべくいい結果を残したい」

 マスターズ1000のロジャーズ・カップと全米オープンは決勝進出の実績もある。躍進の夏のイメージは描きやすい。

錦織が他選手との点数の差を意識!?

 2年ぶりのツアーファイナルズへの答えは、少し意外だった。

「意識はしていますね。まだまだ(残りの期間が)あるっちゃありますけど、この夏でちょっと差をつけることができれば近づいてくる。

 今年は活躍している選手が固まっている気はするので、難しい戦いにはなると思いますけど、なるべく狙える位置にはいたい」

 自分の立ち位置を気にするだけでなく、珍しく全体のメンバーとそのポジションも頭に入っている様子だった。

マスターズ4強、全米OP8強の必要が。

 この時点で5位ノバク・ジョコビッチは3355Pで、6位ドミニク・ティーム、7位マリン・チリッチが続き、8位につける2820Pのケビン・アンダーソンまでが圏内。

 この上位を追う選手たちは10位のマルコ・チェッキナート(1631P)から20位のミロシュ・ラオニッチ(1305P)まで、だんご状態だ。

 錦織がこのグループから抜け出して、上を追いかけるにはマスターズで4強、全米オープンで8強(この成績で360Pを獲得)以上といった好成績を残すことが、この夏の必要条件となる。

 上位選手もさらに上積みしてくるのは確実。追い上げが容易でないことは、錦織自身が誰よりも理解している。

ズベレフに勝てば優勝の可能性も……。

 シティ・オープンでは今後の男子テニス界を引っ張る若手たちとの対戦となった。3回戦では19歳のデニス・シャポバロフを退けたが、準々決勝では21歳のアレクサンダー・ズベレフに6−3、1−6、4−6で逆転負け。8強止まりとなった。

 A・ズベレフには昨年の準決勝で完敗。4月のモンテカルロでは雪辱し、これが3度目の対戦だった。

「この速いコートは彼に合っている。去年はすごい早いタイミングでどんどんやられて何もできなかったので、色んなボールを交ぜて自分から攻めていくことが大事になる」と試合前は対策を練っていたが、相手の両サイドからの深いショットに巻き返され、錦織のフォアの精度がポイントを重ねるごとに悪くなっていった。

「第2セットでブレークされてから相手の球の速さや深さが変わってきて、彼に気持ち良くプレーさせてしまった」と、若さと勢いに飲み込まれたことを認めた。

 結果としてこのA・ズベレフが落としたのは錦織との第1セットだけで、大会2連覇を果たした。

 この難敵を乗り越えれば、タイトル獲得の可能性も十分にあった。

競争が激化している男子テニス界。

 今の男子テニス界はかつてのような激しさを取り戻している。

 ラファエル・ナダルやロジャー・フェデラーを中心に30代のベテランも健在で、ジョコビッチも復活を遂げた。

 A・ズベレフを筆頭とした若手の突き上げも厳しく、再びトップ10に割り込むには実力だけでなく運も必要だ。

 2016年の錦織は世界ランキングに反映されないリオデジャネイロ五輪に出場したにもかかわらず、マスターズの2大会と全米オープンで合計1410Pを稼いだ。

 あのギラギラとした夏を思い出せれば、ツアーファイナルズも近づく。

 勝負の季節だ。

文=吉谷剛

photograph by Getty Images


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