“スーパー原口元気”になるために。背番号10と代表リーダーへの覚悟。

“スーパー原口元気”になるために。背番号10と代表リーダーへの覚悟。

 開幕まで3週間を切り、新たなシーズンに向けた準備も佳境に入りつつある。新天地での戦いを選んだ選手たちは、ポジション争いをしながら、自らの力を証明しないといけない。

 今季からハノーファーへ移籍した原口元気もそうだ。

 3年半をヘルタ・ベルリンで、そこからレンタル移籍という形で半年間をフォルトゥナ・デュッセルドルフで過ごした。4年前にロシアW杯の出場を目指してヨーロッパでの戦いに身を置いた原口は、ロシアW杯を終えてまた新たなサイクルをスタートさせる。

 ハノーファーとの契約は2020-21シーズン終了まで。現地メディアによる推定の移籍金は約5億8000万円と見られる。

 そして、与えられた背番号は10番だ。

10番をつけるからには数字を残す。

 移籍が決まった際に、空いている背番号の中から10番か14番が良いことを原口が伝えると、首脳陣からこう言われたという。

「ぜひ、10番をつけてくれないか」

 もちろん、原口も意気に感じる提案だった。

 先月末、日本での3週間強のオフを終えた原口は、大きな期待を受ける新天地での抱負をこのように語った。

「10番を背負う選手はチームを引っ張らないといけないし、攻撃の部分で本当に大きな役割を果たさないといけないと思うので。その番号をつけるからには、自分自身、強い覚悟をもって数字を残さないといけないです」

 そして、こう続けた。

「今までの自分に足りなかったのは数字だと思うので。ヨーロッパで、ドイツで、しっかり数字を残せるシーズンにしたいなと思います。10番を背負う以上、“10ポイント”くらいは半年で取らないといけないと思いますし、そこを目指して頑張ります」

 原口が口にした「10ポイント」とは、ドイツではゴール数とアシスト数を合わせた数字をカウントする「スコア・プンクト」というもの。攻撃的なポジションの選手の価値と評価を示す重要な指標となっているからこそ、意識するところだ。

代表でもリーダーとなれるように。

 もちろん、ロシアでの戦いを終えた後だから、感じることもある。

「今回は、本当に良い経験をさせてもらったので。ここからの4年間は自分が日本代表を引っ張るという気持ちでやります。今まで日本代表を支えてくれた選手のなかで、いなくなる選手もいるので、自分もそういう立場でしっかりと日本代表を引っ張っていけるような、1人のリーダーになれるように頑張っていきたいなと思います」

 7月28日からハノーファーの練習に合流した原口は、地元メディアに対して新チームの印象を語った後に、こんな興味深いコメントを残している。

「あとは、僕は全ての選手たちとドイツ語(だけ)で話したくて、そのためには自分のドイツ語のレベルもさらにあげないといけないですね」

 これに対して、ブライテンライター監督は、こう付け加えている。

「原口はよくドイツ語を理解しているし、話している。だから、ここではコミュニケーションの問題はないのだけれどね」

 ドイツでプレーする上で、現時点の語学力でも問題はない。しかし、今以上に流暢に話せるようになったとしてマイナスは1つもない。今まで以上にプレーしやすくなるし、新たな発見もあるだろう。

現状の力を100%出すという考え。

 大切なことは、置かれた場所で全力を尽くすことだ。

 言い訳なんて探そうと思えばいくらでも見つけられる。いつまでドイツにいるかわからない。ドイツ語を学ぶ時間を割くくらいであれば他の時間に使いたい……。

 しかし、その場に応じて必要なことに原口は取り組んできた。

 例えば、今年4月のこと。W杯を直前に控えた時期に、こう話していた。

「本当は日本を一発で助けられるような、スーパーな選手になりたいわけですよ。でも、今から短期間でスーパープレーヤーにはなれないわけで。じゃあ、何をするかというと、今の自分の力を100%ピッチで出すことが、日本のためになるので。

 それが80%だったり、70%だったら、チームのためになれない。いつでも100%の力を出せるようになるために、試合をして、トレーニングをして、リラックスもして、今までやってきたことをやり続けていかないといけない」

再び自分の潜在能力を探しに。

 W杯前の半年間は、潜在能力を大きく引き出すというよりも、持っているものを最大限出すための作業を続けてきた。その裏には悔しさも歯がゆさもあったが、成果は日本人初となるW杯の決勝トーナメントでのゴールなど、いくつもの場面で形となって表れた。

 思えば4年前の年初、原口は周囲を圧倒できるスピードと何度でもスプリントできるための肉体改造の計画を立てて、成長を続けてきた。ロシアW杯が終わって1つの区切りを迎えた今は、また、自分のポテンシャルを伸ばすための作業に心おきなく没頭できる。しっかり計画を立てて、真摯に取り組む作業を原口は得意としている。

 だからこそ、ハノーファーでの新しいシーズンを前にした彼の決意もまた、説得力を持つのである。

「所属チームでも、日本代表でも、自分が引っ張っていかないといけない。代表では本当に頼りにしていた選手たちがいなくなるから。

 今までだったら……自分だけというか、自分が良いプレーをして貢献できたらいいと思っていたけど、色々な部分で引っ張っていかないといけないな。もちろん、すぐにそういうことができるようになるかはわからないけど、そういう存在になっていけるように、自分自身にもプレッシャーをかけて、やっていきますよ!」

文=ミムラユウスケ

photograph by AFLO


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