ラグビーも世界最高峰の選手だらけ。トップリーグをW杯制覇への序章に。

ラグビーも世界最高峰の選手だらけ。トップリーグをW杯制覇への序章に。

 サッカーJリーグには、アンドレス・イニエスタがやってきた。フェルナンド・トーレスもやってきた。この7月からJリーガーとなった元スペイン代表のふたりは、国内的には観客動員増を、国際的にはJリーグの注目度アップを促している。

 ラグビーのトップリーグには、ダン・カーターがやってきた。奇しくもヴィッセル神戸に在籍するイニエスタと同じく、カーターは神戸を拠点とする神戸製鋼コベルコスティーラーズに2年契約で加入した。

 オールブラックスことニュージーランド代表で長く活躍したこのスタンドオフは、2003年から4大会連続でワールドカップに出場してきた。チームが連覇を成し遂げた15年大会では、優勝に大きく貢献している。

 国際組織『ワールドラグビー』が選出する年間最優秀選手には、'05年、'12年、'15年と3度選出されている。頭文字を取って「DC」とも呼ばれるこの36歳は、ラグビー界の生ける伝説なのである。

ギタウと世界的名手の対決も。

 神戸製鋼のアンドリュー・エリス共同主将は、2歳年上のカーターの加入を「素晴らしいこと」と話す。彼らふたりは'07年と'11年のワールドカップで、ニュージーランド代表のチームメイトだった間柄だ。

「日本人選手は最初少し緊張したかもしれないけれど、カーターも選手の名前を覚えようと努力を重ねていて、グラウンドでも力を発揮できるようにと考えている。彼がこのチームに来てくれたのは素晴らしいことだし、たくさんのいい影響を与えてくれると思う」

 カーターの神戸製鋼入りによって、トップリーグで世界的名手の対決も実現する。

 リーグ連覇中のサントリーサンゴリアスで、昨シーズンから元オーストラリア代表のマット・ギタウがプレーしている。こちらは'03年、'07年、'15年と3度のワールドカップに出場してきたバックスのユーティリティプレーヤーだ。

オールブラックスの現メンバーも。

 フランスの強豪トゥーロンでプレーした2013年から'15年にかけては、サッカーのチャンピオンズリーグに相当するヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップで3連覇を成し遂げたメンバーのひとりだ。サントリー加入1年目の昨シーズンは、CTBのポジションでベスト15に選出されている。

 ともに1982年生まれのカーターとギタウは、9月14日のリーグ戦でファーストコンタクトを迎える。チーム初の3連覇に挑むサントリーと、'03-'04シーズン以来の優勝を目ざす神戸の今シーズンは、ふたりのビッグネームの活躍次第で変わっていくはずだ。

 昨シーズン2位のパナソニックワイルドナイツには、ニュージーランド代表のマット・トッドが加入した。'18年のスーパーラグビーを制したクルセイダーズの副主将のひとりで、来年のワールドカップ出場も狙えるフランカーである。

 クルセイダーズからはもうひとり、イズラエル・ダグがキャノンイーグルスの一員となった。フルバックやウイングでプレーする30歳のダグは、'11年のワールドカップで印象的な活躍を見せた選手だ。

 入団が発表されたのは、リーグ開幕直前の8月22日だった。トップフォームを披露するのは少し先になるかもしれないが、スピードとステップワークを兼ね備えたトライゲッターとして、トップリーグで存在感を発揮していくに違いない。昨シーズン10位に終わったチームを浮上させることで、来年のワールドカップのメンバー入りを手繰り寄せるのがダグの目標だ。

神戸製鋼はNZ代表スタッフを招聘。

 コーチングスタッフに世界的名将を招いたクラブもある。カーターを獲得した神戸製鋼だ。

 今シーズンから総監督に就任したウェイン・スミスは、母国ニュージーランド代表のスタッフとして'15年のワールドカップ優勝に力を注いだ人物だ。クラブレベルでも多くの成功を収めている61歳は、世界のトップ・オブ・トップで結果を残してきた指導者である。

 ワールドクラスの選手や指導者がトップリーグの舞台に立つのは、今シーズンに始まったことではない。カーターやギタウには及ばないまでも、スーパーラグビーでプレーした経験を持つオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどの代表クラスは多い。サッカーならチャンピオンズリーグでプレーした選手たちが、リーグ戦のゲームに漏れなく出場しているような状況だ。

W杯を狙うのは日本人だけでない。

 ワールドカップ開催を来年に控える今シーズンのトップリーグは、日本代表入りを目ざす選手たちにとって重要な意味を持つ。サントリーの主将で日本代表の第一次トレーニングスコッド(ワールドカップ開催時に日本国籍を取得できる外国籍選手も含めた40名がリストアップされた)入りしている流大は、このように話している。

「トップリーグでのパフォーマンスが代表につながる。世界のスタンダードを常に頭に入れながら、目の前の一戦一戦に集中して戦っていきたいです」

 ワールドカップ出場を意識するのは、日本人選手だけではない。ワールドカップ出場への道を切り開くとの決意を秘めて、トップリーグのピッチに立つ外国籍選手も多い。

 国内外の選手たちが繰り広げる、ワールドカップへのサバイバル──サッカーJリーグに負けない熱のこもった戦いは、8月31日に幕を開ける。

文=戸塚啓

photograph by Getty Images


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