遠藤航「僕らリオ世代が中心に」森保Jで念願のボランチ定着なるか。

遠藤航「僕らリオ世代が中心に」森保Jで念願のボランチ定着なるか。

 森保一監督の初陣となったコスタリカ戦、リオ五輪世代の選手が躍動した。

 遠藤航、室屋成、三浦弦太、中島翔哉、南野拓実の5名がスタメン。その中で南野が代表初ゴールを決めれば、中島は左サイドから何度も仕掛けて存在感を示した。

 途中出場した浅野拓磨と三竿健斗、そしてチーム3点目をマークした伊東純也もリオ世代で、計8名がプレーした。リオ世代の活躍は今後に向けて大きな収穫になったが、その中でとりわけ大きかったのは、遠藤のボランチとしての可能性が見えたことだろう。

DFとしての起用が主だった。

 遠藤はリオ五輪代表でキャプテンを務め、ボランチのポジションを務めていた。

 当時、遠藤は「センターバックとしては身長や体の大きさもあって、世界で戦うには限界がある。ボランチとして勝負したい」と言っていた。しかし、浦和では3バックや右サイドバックでの起用が主で、A代表でも同様の起用が多かった。

 複数ポジションができると言えば聞こえはいい。しかしそれは本職でプレーできず、使い勝手のいい立ち位置にとどまっていたということ。90分間フル出場することはまれで、それがロシアW杯メンバー入りしたものの、出場のチャンスを得られないまま終わった要因となった。

「ベルギーに負けた時の悔しさは今までにないものだった。でも今考えると、W杯は中途半端に5分、10分出るよりは、まったく出ない方が自分は良かったかなと思っています。その悔しさを今後にぶつけられるんで」

 その悔しさを抱えてベルギーに移籍し、チームでは念願のボランチでプレーできている。それは遠藤にとって非常に大きかった。ロシアW杯以前は代表でいざボランチに入っても、視野や感覚を取り戻すのに時間がかかるハンディがあった。余裕を持ち切れないからかセーフティなプレーに終始し、他選手との違いを見せられなかったのだ。

「リオ世代が中心にならないと」

 だが今はボランチに専念することで感覚を研ぎ澄まし、代表でもタイムロスすることなく、自分のすべきことに集中できた。慣らし期間が必要ない分だけプレーの選択肢が広がり、さらに中軸になるという自負も芽生えた。

「自分たちリオ世代が中心になって引っ張っていかないといけないと思っています。ただ、自分が代表で中盤の軸になるためには、守備だけではなく、攻守に関わる選手にならないといけない。総合力を高めるというか、自分の良さを出しながら何でもできるようにしていかないと、中盤の中心になれないと思っています」

 日本代表のボランチの状況も理解している。絶対的な存在でキャプテンだった長谷部誠が代表を引退し、ボランチは1枠が空席になった。今回は山口蛍、大島僚太が故障で代表辞退しており、遠藤にとってはアピールする最大のチャンスだったのだ。

 遠藤は、そのチャンスを活かした。

南野のゴールをアシストした動き。

 彼のもともとの強みは人への当たりや読みの良さなど守備面にあった。ただ今回、目についたのは攻撃力だった。守備から攻撃への切り替えが非常に早く、前線の選手の特徴を踏まえて長短織り交ぜたパスを前に出し、自らも積極的に前に出ていった。

 特にペナルティボックスの中に入ってボールを受け、南野の追加点をアシストしたプレーは、少なくともリオ五輪でボランチをやっていた頃には見られなかったものである。

「リオ五輪の時はいろいろ考え過ぎたというか、周囲の選手を活かさないといけないとか、自分のプレーに対して向き合えていなかった。今は失うものがないし、シンプルに自分の良さを出すことだけに集中しています。ベルギーで(ボランチを)やっていることも活きていると思います」

 攻撃面で貢献できたのは、ボランチを組んだ青山敏弘が後方支援に回ってくれたおかげでもあるが、2人の相性も良かった。「お互いに今どこにいるか、常にカバーしあうことができていた」と遠藤が言うように、うまくハマっていた。

 ただ、強い相手と戦った時、厳しいプレッシャーの中でもボールを受けに前へと飛び出せるのか、そして個人能力のある相手を潰すことができるのかなど、まだ未知数な部分はある。

最後はキャプテンマークを任され。

 それでも、森保監督は遠藤を第1ボランチに置くつもりではないだろうか。

 青山は現在32歳、4年後、カタールW杯で主力として計算するのは難しいところだ。森保監督としては自分の理想とするサッカーをピッチ上で体現し、どんな相手でも対応できるボランチを育てておかねばならない。

 その中で遠藤は前述の通りセンターバックやサイドバックでプレーしてきたし、アンカーもこなせるほどの守備力を持っている。W杯主力組の柴崎岳、攻撃力の高い大島僚太や井手口陽介と組んだとしても彼らの特徴を活かしつつ、自分の良さを発揮することができるだろう。パートナーを選ばず、プレーできるところが強みだ。

 さらに、コスタリカ戦で青山が巻いたキャプテンマークを、いずれ引き継ぐ存在としても遠藤に期待しているのではないか。ボランチの交代を遠藤ではなく、青山に代えて三竿健斗を入れたのは、「最後はお前が仕切れ」というメッセージでもあるだろう。

「今日、結果を残せたのはよかったです。でも、これを続けないと意味がないですし、強い相手に対してもいいプレーをしないといけない。まだまだ満足はしていないです」

 リオ五輪でチームを解散する時、「次はA代表で」と、みんなで誓い合った。

 あれから2年、その時の約束を彼らは果たし、遠藤はボランチとしてのポテンシャルの高さをしっかりと示した。レギュラーの尻尾を掴みかけている今、中軸となり、キャプテンマークを腕に巻く日が意外と早くやって来そうだ。

文=佐藤俊

photograph by AFLO


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