番記者アンケートでは1位返り咲き。大谷翔平が新人王になる現実味は?

番記者アンケートでは1位返り咲き。大谷翔平が新人王になる現実味は?

 二刀流の挑戦でアメリカでも大きな話題になった大谷翔平選手。4月にアメリカンリーグの月間新人賞を受賞で幸先のいいスタートを切り、9月にも同賞を受賞し、鮮やかにルーキーイヤーの幕を閉じた。

 今シーズンの成績を見ると、投手では10試合に登板し4勝2敗。打者としては本塁打22本、打点61、2割8分5厘と1年目としては十二分な結果を残している。

 シーズン終了と同時に、アメリカの記者たちは最優秀選手賞(MVP)や最優秀新人賞への自分の“推しメン”への愛情たっぷりの記事を書いている。

 100年に1人の選手を新人賞に選ばないなんてありえない、という凄まじい熱量のニュアンスで書かれた一連の記事は、読み手がちょっと引いてしまうほど。もちろんベーブ・ルース以来の二刀流である大谷に対し、スポーツ誌『スポーツ・イラストレイテッド』、『スポーティングニュース』などの記者たちも高く評価している。 

 ちなみにメジャーリーグは番記者対象にシーズン中から毎月のように新人賞への投票アンケートを行なったが、最新の9月25日のものは大谷選手が154ポイントで、5月30日以来の首位に返り咲いている。(参照:https://www.mlb.com/news/rookie-of-the-year-poll/c-295860692)

全米野球記者協会の記者投票。

 最優秀選手賞(MVP)、サイヤング賞、最優秀新人選手、最優秀監督などの賞は、ワールドシリーズ終了後の11月上旬に全米野球記者協会(The Baseball Writers' Association of America)に所属している記者の投票によって決定する。

 同協会のHPによると、最優秀新人賞は協会員の中から選ばれた60人(各リーグごと30人)の記者がそれぞれ1位から3位の選手を選出。1位は5ポイント、2位は3ポイント、3位は1ポイントを獲得し、合計ポイントが高い選手が晴れて最優秀新人賞の栄誉に輝くシステムになっている。

 記者全員が1位投票した場合の150ポイントが最高点で、昨年、52本の本塁打を放ったヤンキースのアーロン・ジャッジ選手、本塁打39本のドジャースのコーディ・ベリンガー選手には、全記者が1位投票し、満場一致で同賞を受賞している。

二刀流はWARで加点されるか?

 2012年のナショナルリーグの新人賞争いは熾烈を極め、20歳のブライス・ハーパー選手が112ポイントで獲得したが、2位のウェイド・マイリー選手とはわずか7ポイント差。ハーパー選手は139試合に出場し、本塁打22本、打率2割7分。25歳のマイリー選手は32試合に登板し16勝11敗。成績に加え、20歳という年齢も加味されたことがうかがえる。

 前述したようにハーパーとマイリー両選手の成績は甲乙つけがたく、そもそも投手と野手をどう比較するのか、守備はどう加味するのか、という疑問なども出てくる。

 そこでポジションやプレー条件が異なる選手を比較するために、メジャーリーグではWAR(Wins Above Replacement)という計算方法を採用している。これは交代可能な選手(平均的な選手)よりもどれくらい勝利に貢献したか、選手の貢献度を評価する指標になっている。これは本塁打数や勝率など数字として出ている絶対評価ではなく、WARという相対評価を用いるのが特徴である。

 大谷選手のライバルと目されているのはニューヨーク・ヤンキースのグレイバー・トーレス、ミゲル・アンドゥハーの2人。3選手のWARを比較してみると(参照:https://www.baseball-reference.com/leagues/MLB/2018-rookies.shtml)、

大谷翔平(投手:1.2) 10試合、4勝2敗、防御率3.31
大谷翔平(打者:2.7)104試合、安打117、本塁打22、打点61、2割8分5厘
トーレス(打者:2.9)123試合、安打93、本塁打24、打点77、2割7分1厘
アンドゥハー(打者:2.5)149試合、安打170、本塁打27、打点92、2割9分7厘

 打者としてのWARは3選手ともほぼ変わらないが、大谷選手は投手としてのWARを加点すると3.9でライバルたちを大きく引き離す。

 ただ昨年のジャッジ(WAR8.1)のような圧倒的な本命が不在で、大谷選手を含めた有力選手がWAR3.0〜4.0付近にひしめいているため、投票権を持つ記者たちがどの部分を評価し、加味して投票するのかも気になるところだ。

イチロー以来の受賞なるか。

 同協会で最優秀新人賞が公式に作られたのは1947年で、受賞選手第1号は、ジャッキー・ロビンソン選手だった。日本人選手は1995年に野茂英雄投手、2000年に佐々木主浩投手、2001年にイチロー選手がそれぞれ受賞している。

 3選手とも日本のプロ野球で実績があったため、「新人として扱うのはいかがなものか」という議論も出たけれど、黒人だけで組織されたニグロリーグでプレー経験がある選手と同様に、日本人選手も「メジャーリーグでの経験で選考するべき」としている。

 大谷選手は日本でも実績があるけれど、24歳という若さから「新人として扱うのは……」云々の議論は出ていない。

 過去にはデレク・ジーター、同僚のマイク・トラウトなども受賞している名誉ある賞で、ここからMVPにステップアップしていく選手も多数いる、言うまでもなくルーキーの登竜門。日本人として4人目、二刀流選手としてはメジャー初の新人賞受賞なるのか。記者たちが大谷選手をどう評価するのか、投票結果が楽しみだ。

文=及川彩子

photograph by Getty Images


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