なぜ内藤哲也はジェリコを追う?1.4東京ドーム、もう1つの焦点。

なぜ内藤哲也はジェリコを追う?1.4東京ドーム、もう1つの焦点。

「内藤、オマエはすでにオレに叩きのめされているんだ。この大阪でな。オレがタイトルマッチに持っていくのにそうしたように、オレをやっつければリマッチできるとでも思ってんのか?

 それは無理だ。

 東京ドームだろうが、後楽園ホールだろうが、マジソン・スクウェア・ガーデンだろうが、どこであっても、オレはオマエの前に2度と立つことはないのだから」

 11月3日、大阪府立体育会館で行われたEVILとのIWGPインターコンチネンタル選手権は、王者クリス・ジェリコが貫禄の逆エビ固めで勝利した。

 ギブアップした後のEVILを、さらに逆エビ固めで痛めつけるジェリコに、見かねてリングに上がって低いドロップキックを見舞ったのは内藤哲也だった。

 だが、ジェリコはそんな内藤を相手にせずにさっさとリングを降りて「オレがクリス・ジェリコさまだ」と言わんばかりの表情で花道を引き揚げた。

クラシックな試合で勝ったとは!?

 ジェリコはEVILに思ったより手こずったということなのか……試合後の会見で、まずは水を要求するとおもむろにしゃべり始めた。

「今日はクラシックな試合をお見せしてやった。わかるか? こんなクラシックな試合は久しぶりだ。EVILにとっては初めてだったろうけれど、オレにとっては257試合目だ。クラシックの中でもよりクラシックで、古典的な試合だ」

 ジェリコはクラシックというが、確かにフィニッシュこそクラシックだったが、ジェリコがいうほどクラシックというわけではなかったが……。

「日本人には、無敗の男だ」

「オレがGOAT(Greatest of All Time=すべての時代においてもっとも偉大)な男だと言われる理由がわかっただろう。

 日本に“Greatest of All Time”と言われるような男はいるか。いないだろう? でも、ここに1人いる。オレだ。それが真実なんだ。他にどこかにいるというなら、見つけて来い。

 このインターコンチネンタル王座の歴史の中でオレほどの男はいなかったはずだ。オマエらにそれができるか? できないだろう。他にそれができるヤツがいるか? いない。オレのように完璧な英語を話すヤツがいないのと同じようにだ」

 ジェリコは一息にしゃべり続けた。

「オレが“ガイジン”だから文句があるようだけれど、オレはニュージャパンのヤツらにはまだ負けてない。日本人には、無敗の男だ。まあ、EVILもすばらしい選手だったな。そしてすばらしい試合だった。でもオレは長い間、世界最高でいる。そんなオレと1対1で戦えてよかったな。これでオマエの名が上がるだろう」

「内藤とのリマッチは絶対にない!」

 ジェリコの話題は内藤に移った。

「そして内藤、オマエが6月にあれほど注目されたのは、1月に後楽園ホールでオレに襲われたからだ。そして6月の試合で、さらに名前が知られるようになった。だけれどな、ここでもう1回念を押しておく。内藤とのリマッチはない。絶対にない。この先ずっと!」

 内藤とは再戦はない。もう戦わない???

 これはジェリコの本心なのだろうか。

内藤はジェリコに肩透かしを!?

 ジェリコが言うように、内藤は1月に後楽園でジェリコに襲われて、5月には福岡で血だるまにされた。

 内藤は6月の大阪城ホールで半年分のリベンジを果たすべく、インターコンチネンタル王座の初防衛戦をジェリコ相手に戦ったが、フォール負けを喫して王座から陥落した。

 内藤は、この大阪府立体育会館での大会で「オレが次の挑戦者だ」と名乗りをあげたわけだ。それなのに、ジェリコに肩透かしを食らった格好だ。

「ホント、たまにしかやって来ない“自称・世界のスーパースター”クリス・ジェリコが、今この新日本プロレスのリングでいきがっているのは、オレの責任かもしれないね。

 でも、リング上で言った通り、次の挑戦者はオレだよ。クリス・ジェリコに決定権は、残念ながら無い。今日この時点で、彼の次の対戦相手は決まったよ。“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”の内藤哲也ってね。

 ただ、ここで勘違いして欲しくないのは、オレはEVILの敵討ちをするわけじゃないから。オレは大阪城ホールでジェリコに負けた。その悔しさを晴らすために、彼と試合するんだ。

 EVILは、今日悔しかっただろう。でも自分の借りは自分で返せばいいよ。オレはEVILの敵討ちがしたいがためにリングに上がったわけじゃないから。それだけはしっかり覚えておいて下さい。

 世界のスーパースターは忙しいのかな? 今日、さっさと帰っちゃったからね。次に来るとき、あなたの目の前に立ってるのはこのオレだ。ただで帰れると思うなよ」

「最近の新日本プロレスは……」

 内藤は2日後の記者会見でも、そのうっぷんを新日本プロレスに向けた。

「最近の新日本プロレスはどうなってるんですかね。

 新日本プロレスが世界に目を向けている、それはすばらしいことですよ。でも、もっと身近なことや小さなことを丁寧に伝えることも、オレは大事なんじゃないかなって思いますよ。

 おっ、失礼しました。ちょっとお話がそれてしまいましたね。クリス・ジェリコのことですね」

今年の内藤はトーンダウンしていた。

 内藤はジェリコに話が及ぶと、こう続けた。

「大阪大会後、クリス・ジェリコが“内藤とは絶対にやらない”みたいな発言をしていたらしいですね。だとしたらなおさら、彼にはこの場に来てもらって、彼の言葉で彼の意思を聞きたかったですね。

 まあ、大ウソつき野郎のクリス・ジェリコの言うことですから、彼の本心だとは思えないけどね。彼の生の声を聞きたかったなあ、残念です。

 まあ、クリス・ジェリコもいないことですし、オレもそろそろ帰りますよ。

 ほら、ご存知ですか? オレ、明後日からアメリカとカナダで試合を行なうわけですよ。忙しいんですよ。ひとつ、この場でみなさまに宣言することがあるとすれば、2019年1月4日、東京ドーム。クリス・ジェリコ、沈めてやるぜ! アディオス!」

 ジェリコと絡んでから2018年の内藤ははっきり言ってトーンダウンしていた。棚橋弘至をいいようにあしらって、オカダ・カズチカを追い詰めていた内藤はその輝きにシャドーをかけてしまったように曇っていた。

 さあ、ジェリコを仕留めて……この1年分のうっぷんを晴らすのだ。

文=原悦生

photograph by Essei Hara


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