3歳のルヴァンスレーヴが砂の王に。ダート馬が最優秀3歳牡馬の可能性?

3歳のルヴァンスレーヴが砂の王に。ダート馬が最優秀3歳牡馬の可能性?

 強い3歳馬はアーモンドアイだけではない。ダート界でも古豪を蹴散らす、若き絶対王者が誕生した。

 第19回チャンピオンズカップ(12月2日、中京ダート1800m、3歳以上GI)を、ミルコ・デムーロが騎乗した圧倒的1番人気のルヴァンスレーヴ(牡3歳、父シンボリクリスエス、美浦・萩原清厩舎)が優勝。前身のジャパンカップダート時代の2001年クロフネ、'05年カネヒキリ、'06年アロンダイトにつづく史上4頭目、舞台が中京に移ってからは初めての3歳の優勝馬となった。

 アーモンドアイが制した前週のジャパンカップにつづき、下半期の砂王決定戦でも3歳馬による圧勝劇が披露された。

 ルヴァンスレーヴは内の2番枠から好スタートを切り、出たなりのまま2、3番手のインにつけ、1コーナーへと入って行った。

「ちょっと入れ込んでいたけど、いつもどおりだった。前はスタートはよくなかったけど、だんだん上手になっている。出して行かなくても、いいところを取ることができた。ずっと馬なりでした」

 デムーロは、いちだんと上達した日本語でそう振り返った。

デムーロもルメールも絶賛。

 向正面では、単騎逃げを打ったアンジュデジールから2、3馬身離れた2番手の内を、引っ張り切れないほどの手応えで進んだ。

 最後の直線。ルヴァンスレーヴは、先頭のアンジュデジールの直後につけ、追い出しのタイミングをはかっていた。そして、ラスト200m地点で外に進路を取ってスパート。

 瞬時に後続を突き放し、2馬身半差をつけてフィニッシュした。

 勝ちタイムは1分50秒1のレースレコードタイ。まったく危なげない完勝劇であった。

「素晴らしい馬。化け物です。クリストフ(・ルメール)が『ダートのアーモンドアイだ』と言っていました。本当ですね」とデムーロ。

8週連続で外国人騎手がGI勝利。

 前週のアーモンドアイ同様、内枠を引いて不安視されながら、速いスタートを切って、キャリアで初めて先行した。直線で前の馬のスリップストリームに入るかのように追い出しを待ってから外に持ち出したところも、後続をちぎってレコードを叩き出したところも、アーモンドアイのジャパンカップと同じだった。

 もうひとつ加えるなら、外国人騎手を背にしていたところも同じだった。これで8週連続、外国人騎手がGIを勝ったことになる。

 ルヴァンスレーヴの次走は来年2月のフェブラリーステークスになる模様。

最優秀3歳牡馬が見えてきた。

 ルヴァンスレーヴにとって、これがJRA・GI初制覇であった。しかし、前走、盛岡の南部杯と前々走、大井のジャパンダートダービーの統一GIを勝っているので、これが今年のGI3勝目、それもすべて圧勝の3連勝である。

 この勝利で、JRA賞の最優秀3歳牡馬のタイトルが見えてきたのではないか。

 ほかの候補は、やはり、クラシックの勝ち馬ということになるだろう。が、皐月賞馬エポカドーロ、ダービー馬ワグネリアン、菊花賞馬フィエールマンの3頭とも年内は休養し、有馬記念に出ない見込みだ。3頭とも、GIは1勝ずつ。

 ほかに今年GIを勝った3歳牡馬は、NHKマイルカップのケイアイノーテックと、マイルチャンピオンシップのステルヴィオだが、これら2頭も、年内は出走しないと思われる。

 レースの重みとしては、「競馬の祭典」と呼ばれる日本ダービーが一番だ。しかし、一年を通じての活躍度や、勝ち方のインパクトでは、ルヴァンスレーヴに軍配が上がるのではないか。

 過去にも、クラシックを勝っていないのに最優秀3歳牡馬に選出された馬が3頭いる。1988年のオグリキャップ、1998年のエルコンドルパサー、そして、'02年のシンボリクリスエスである。

選ばれればダートチャンピオンとして初。

 オグリキャップは地方の笠松からその年に中央入りし、JRA重賞を6連勝。タマモクロスとの「芦毛対決」に沸いた天皇賞・秋は2着、ジャパンカップは3着に惜敗したが、有馬記念を優勝した。

 エルコンドルパサーはデビューから5連勝でNHKマイルカップを制し、休み明けの毎日王冠はサイレンススズカの2着に敗れたが、つづくジャパンカップでエアグルーヴやスペシャルウィークを下して優勝した。

 そして、ルヴァンスレーヴの父でもあるシンボリクリスエスは、ダービーではタニノギムレットの2着に終わるも、天皇賞・秋を優勝。次走のジャパンカップは僅差の3着だったが、つづく有馬記念を制した。

 これら3頭はみな芝で実績を残した馬たちだ。もしルヴァンスレーヴが選出されれば、ダートチャンピオンとしては史上初の快挙となる。

 これだけ強いのに、萩原清調教師が「まだ競馬の形が定まっていない」と話していたように、今なお完成途上。この馬なら、来春のドバイワールドカップや、秋の米国ブリーダーズカップクラシックでも勝ち負けできるのではないか。そんなふうに、いろいろと先走った夢を見せてくれる、底知れぬスケールの大物である。

文=島田明宏

photograph by Yuji Takahashi


関連記事

おすすめ情報

Number Webの他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

スポーツ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

スポーツ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

記事検索