「史上最年少王者」誕生への期待。“新しいノアの顔”清宮海斗の挑戦。

「史上最年少王者」誕生への期待。“新しいノアの顔”清宮海斗の挑戦。

 清宮海斗はノアの「グローバルリーグ」に初優勝した後、GHCヘビー級王座への挑戦を表明した。王者は強さを売り物にする杉浦貴だ。

 清宮は3年前、2015年12月にノアのリングでデビューを果たすと、杉浦に弟子入りしている。

「デビューして、こんな強い人がいるんだな、と思った。その杉浦さんに弟子入りさせてもらってお世話になって、面倒を見てもらった。

 その杉浦さんを越えたいんです。杉浦さんを越えるからこそ意味がある。3カウントで、しっかり肩をつけさせて勝ちたい」

 清宮はこの1年間をジェスチャーで「大きくうねるような波のある不安定な1年」と表現した。

「波乱の1年、自信満々で日本に帰って来て、(拳王の)ベルトに挑戦したのに勝てなかった。その後、組んでもらったシングルマッチでも勝てなくて、結果が出せなくて、一回気持ちが落ちた」

シングルで芽が出ない日々。

 タッグでは潮崎豪と組んで「グローバルタッグリーグ」に優勝したし、GHCタッグ王座も獲得した。

 でも、シングルで芽が出ない日々に、清宮はひどく落ち込んだ。本人のイメージ・プランが膨らんでいたために、それとの実際のギャップは大きく、外から見てもトーンダウンは明らかだった。

 そんな辛い時期も、清宮は「試合に対しては必ずテーマをもって挑戦してきた」と冷静さを失わなかった。

リーグ戦で思わぬ苦戦も。

「1回体を大きくしたんですけれど、ノアのリングでは合わないな、と思って少し絞った」

 こうして奮起して臨んだグローバルリーグ戦だったが、苦しい戦いが続いた。

 初戦で杉浦を返し技で押さえこんで1勝したものの、樋口和貞、小峠篤司、そしてコーディ・ホールと3連敗。

 2016年は0勝7敗。今年もダメかと思われたが、ここからモハメド・ヨネ、潮崎、マイバッハ谷口をタタイガースープレックスホールドでフォールして3連勝。通算4勝3敗で優勝戦にコマを進めた。

運とみんなの支えで優勝できた。

「すごく厳しいリーグ戦だったけれど、運も味方してくれたかな。自分の力だけで上がって来れたわけじゃない。

 みんなの支えがあってここまで来れた。こうやってトロフィーを抱えている自分が信じられない」

 優勝トロフィーを手にした清宮は息が弾んでいつになく興奮気味だった。

 11月25日の後楽園ホールでの優勝戦では、Aブロック首位通過を決めていた丸藤正道との試合が予定されていた。だが、丸藤は試合前々日、左大腿筋断裂というアクシデントに見舞われて、優勝戦欠場を余儀なくされた。

 代わって、優勝戦進出者決定戦を勝ち上がった中嶋勝彦が清宮との優勝戦に出場した。

 中嶋のキックは強烈だった。

「(中嶋は)殺気にあふれていた。このままダメになっちゃうと何度も思ったくらい殺気が迫ってきた」

ノアの顔を、そろそろ変えないと!

「でも、それ(中嶋戦)とは別に、心残りもあります。

 今回は、丸藤さんを越えるという願い、気持ち、それがボクのエネルギーになっていた。それを目的にして、やってきましたから。ケガが完治したら、丸藤さんに挑戦したい」

 丸藤越えには丸藤の復帰という相手の時間が必要だが、清宮は近未来を見ている。

「ノアの顔が、杉浦さん、丸藤さんという時代は、もう変えないといけない。必ずボクが杉浦さんを倒してベルトを取りますよ」

 丸藤正道、杉浦貴という2つのノアの「古い顔」を、清宮海斗という「新しい顔」に替える。清宮は自分に対して確認するように言った。

時代を変えたい思いは誰よりも……。

「リーグ戦は終わったけれど、気持ちは戦闘モードのまま。このスイッチを切らずにベルトに向かって集中していきたい。後はこのまま突き抜けたい。

 ボクはこの1年間、安定はしていなかった。でも、運もあるでしょうけれど、いい方向に風が吹いてくれた。

 時代を変えたいという思いは誰にも負けない。気持ちで勝負したい」

 GHCヘビー級王座獲得の最年少記録では丸藤が26歳11カ月。逆に最年長記録では杉浦が47歳9カ月。

 清宮は12月16日、横浜文化体育館で杉浦に挑むときは、22歳5カ月だから、勝つことができれば、丸藤の記録を大きく更新することになる。

 参考だが、新日本プロレスのIWGPヘビー級王座では中邑真輔の23歳9カ月というレコードがあるが、これも数字で上回ることになる。

清宮の芸術的な2つの技が見たい!!

 清宮が言うように杉浦は強い。

 杉浦は2009年GHC王座初戴冠後、1年6カ月に渡って14度の連続防衛。2018年3月には驚きの4度目の王座返り咲きを果たしてすでに6度の防衛まで果たしている。そして23回の通算最多防衛記録も持っている。そんなタフな強者に清宮は挑むことになる。

 清宮は高角度のドロップキックを杉浦に突き刺して、芸術的なタイガースープレックスホールドでフォールを奪うことができるだろうか……。

 あの三沢光晴に憧れてノアを選択した少年は成長して、ノアの象徴である緑色のショートタイツをはいてノアの頂点を目指す。

文=原悦生

photograph by Essei Hara


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